2008年7月20日 (日)

最後の授業

Photoランディ・パウシェ&ジェフリー・ザスローの「最後の授業」を読みました。

内容紹介(Amazon.co.jpより)
全米600万人が涙した、ある大学教授の「最後の授業」

今日の次には明日が来て、その先にも新しい日が待っている。そうやって、当たり前のように人生は続いていく。しかし、これから先もずっと続くと思っていたその人生に「終わりの時」があると知ったとき、あなたは何を考えるだろうか――。

2007年9月18日、ペンシルベニア州ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学の講堂で、1人の教授が「最後の授業」を行った。
教授の名前はランディ・パウシュ。46歳。最後の授業をするにはまだ若すぎるパウシュだが、彼にはこのとき、長年親しんだ大学に別れを告げざるをえない事情があった。膵臓から肝臓へと転移したガン細胞。医師から告げられた命の刻限は――「あと3カ月から半年」。
こうしてパウシュの最後の授業は始まった。スクリーンに映し出された演題は『子供のころからの夢を本当に実現するために』。それは、「最後の授業」であると同時に、幼い3人のわが子に遺すためのメッセージだった。

子供へのメッセージを残す。

父としてのランディの子供達のメッセージなのが、この本で、この授業なのです。

この本とDVDを見て思い出したのが、学生時代に見た映画、「My Life」。マイケル・キートンとニコール・キッドマンが主演の映画で、マイケル・キートン扮するボブが、末期がんと診断されたときには、ニコール・キッドマン演じるゲイル(だったと思う)は妊娠中。産まれてくる子供には会えない。その子供にメッセージを残したいという思いから、ビデオ撮影をしていく... その過程で、家族とは何か?をボブとゲイルは見つけて行く。

この本を読みながら、この映画を思い出しました。

私は何を誰に伝えたいのだろうか?

そう思いながら、ページをめくり、DVDを見ました。

泣けるというよりも、生きるための意味を考えさせられる本でDVDでした。

ランディ・パウシェが序文で書いていますが、「大切なのは完璧な答えではないー限られたなかで最善の努力をすることだ。最後の講義でもこの本でも、僕はそのとおり努力した」と言えるような人生にできるかどうかだと思います。

この中で一番考えさせられたのは、人とどう関わってきているかということだと思いました。どう助け合っているのか、どう関係していっているのか。この点に関しては、私はまだまだ自分のためにだけ生きているように思えてならないです。

私は死と直面してもここまで潔くなれない。たぶん、最後の最後まで(そしてこれが私スタイルだと思うし、みっともないと言われようがそう生きたいのだけれど)、生きるということに執着すると思います。

死をどう迎えるのか。永遠のテーマに対して、1つの見本を示してくれる本だと思いました。

子供達に是非読んでもらいたいです。


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2008年7月18日 (金)

The Metropolitan Opera Cookbook

ふらっと入った本屋さんでの出来事。

数冊の本をピックアップし、お会計をしている最中に、ふと、ディスプレイされていたカウンター上の本に目が行く。

背が低いので、上の方にあるものは、よく見えないので、ホントに偶然の出来事。
#態度が大きいせいか、「こんなに小さい人とは思いませんでした!」とよく言われますが、小さいです...(涙)

「神様、ありがとう!!なぜ、こんなところにあるの!?」と、他のお客様がいらっしゃるにも関わらず、大声で叫んでしまい、店員さんが驚く。

「おとりしましょう」と、背伸びをしながら、全く手が届いていなかった私のために、店員さんが本を取ってくださいました。

何を見つけたって、「The Metropolitan Opera Cookbook」ですよ〜〜。

Met_cookbook

1988年に発売された頃には、お金がなくって買えなかった本。コンサルになって、オペラに本格的にはまっていった頃には、この本を買えるお金はあるけれど、本が見つからない状態。もうながーいこと、探していた本です。

なんで、こんなところに、いるんですかっ!?

しかも、1500円。

うぁ、安いっ!!

...ということで、お会計をしている最中だったのですが、もれなく、この本も追加で購入。

内容紹介
From Publishers Weekly
Most opera fansincluding operaphile and cookbook writer Jules Bondagree that opera and food go together. Add a hefty dollop of musical nostalgia and a few too many glitzily romantic table settings, and you'll find yourself with a cookbook that may have to fight its way from the coffee table into the kitchen. Two hundred photographs dominate the array of mostly standard international recipes contributed by musical figures, Met administrators and others, from Jenny Lind to Herb Wekselblatt (tuba player in the Metropolitan Opera Orchestra). The pictures of aproned opera greats puttering around the kitchen threaten to take over, but a marvelous campiness prevails, especially in the shots of an elegantly coiffed Anna Moffo kneeling in a chicken coop amid several hundred white hens, and a maniacally grinning Birgit Nillson brandishing garden shears. Recipes are easily prepared and, this being opera territory, hearty. (A notable exception is Caruso's pre-performance favorite, an iceberg lettuce casserole.) The potential for delicious food is here, but the book will appeal mainly to opera-lovers famished for a new kind of vicarious thrill: the pleasure of trying out an idol's treasured recipe. Copyright 1988 Reed Business Information, Inc.

本のタイトルが示すように、オペラにまつわるお料理本。

ドミンゴによる序文や、マリア・カラスをはじめとする、数々のスター達の写真。オペラにまつわるお料理のレシピやオペラに出てくる食事のシーン。

あぁ、見ているだけで、うっとり。

そして、何よりも、食いしん坊(量は食べないけれど質は追求します)の私にぴったりな本。マリア・カラスのお気に入りのレシピだったり、レナータ・スコット(渡辺誠先生にご紹介いただいて以来、ファンなんです)のパスタお料理中の写真だったり、それはそれは、食欲を掻き立てられます。あぁ、おうちでお料理したいっ!!という気分になれる本。

ロッシーニの「今の歌声は」をハミングしながら、旅先のお風呂で本をめくる自分に酔いしれております。


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2008年7月17日 (木)

女女格差

Photo_2朝一の新幹線に乗って出張なので、小説ではなく最近周辺で話題になっている社会学の本を持って行く。橘木 俊詔 さんの「女女格差」。

話題な本だけど、生なましいタイトルやな...と、思いながら、しかし、出張中に読み終えるだけのページ数がある本でないと、数冊抱えて行かなくてはいけなくなるし、新幹線の中でスーツで読んでてもおかしくない本でないと、「何やってるんだ、あいつ?」と思われてしまうので、重ねてあった本の山から発掘。

内容(Amazon.co.jpより)出版社/著者からの内容紹介
低学歴と高学歴、結婚と非婚、正社員とパート、美人と不美人・・・・・・。 どれほど差があるのか? その差は不公平なのか? 格差問題の第一人者が鋭く迫る

カバーの折り返し
どのような親のもとに生まれるのか、教育をどこまで受けるのか、結婚するのかしないのか、離婚するのかしないのか、子どもをもつのかもたないのか、専業主婦になるのか働き続けるのか、総合職か一般職か、正社員かパートタイマーか、美人か不美人か・・・・・・。 女性の人生でのさまざまな格差を検証し、その差が合理的なものなのか不公平なものなのかを分析する。

さて、この本の感想を一言で語ると...

データで語る一般論としては、面白い。が、結論はどこ!?

女性の間で格差が出てきているという問題提起は面白い。そして、これだけ一カ所にデータをまとめている本も面白い。論文としては面白いのだが、この著者としての結論は「で、なに!?」と聞きたくなる本でした。

格差問題で、データを中心とした一般論を知りたい方にはおススメ。一歩踏み込んだ議論を期待している方には、物足りない本だと思います。


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2008年7月16日 (水)

西の魔女が死んだ

Photo話題映画の原作、梨木 香歩さんの「西の魔女が死んだ」を読みました。
#西の魔女ではなく、「秋山ゆかりが死んだ」になってもおかしくないほどの40度近い高熱に見舞われ、さすがの私も、数日ほど、抜けられない仕事は這いずるようにして出かけ、それ以外はベッドから出ず。生き返ったので、やっぱり魔女だったのかと納得されるかもしれませんが(笑)

内容(「BOOK」データベースより)
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

本の帯に「最後の3ページ、涙があふれて止まりません」とありましたが、本当でした。

最後の3ページというより、全編に溢れる祖母の愛と、そして、生きる知恵に心が揺り動かされました。タイトルにある「魔女」の持つイメージとはほど遠いけれど、やはり、この人は魔女なのだと、そして、魔女であることは生きて行くために必要な知恵なのだと思いました。

まっすぐに生きて行くのは辛い。しかし、まっすぐに生きて行ってもいいのだと、そして、自分なりのまっすぐな生き方には、何をすべきか、何をしないべきか、それは自分で決めることなのだと、そこに幸せが待っているのだと、それを伝えてくれる物語でした。

特に、「死」に対する考え方と、そして、「自分らしく生きること」についての考え方、その説明の仕方は、是非、子供に伝えたい。そう思う小説です。

次の2つのおばあちゃんの知恵は、書き留めておこう。普段は、本は読みっぱなし(読みたい本は何度でも読み直すため。それ以外は頭の中に肝だけ入れて終わる)だけれども、この2つは書き留めておきました。

P.116より
「おばあちゃんは、人には魂っていうものがあると思っています。人は身体と魂が合わさってできています。魂がどこからやって来たのか、おばあちゃんにもよく分かりません。いろいろな説がありますけど。ただ、身体は生まれてから死ぬまでのお付き合いですけれど、魂のほうはもっと長い旅を続けなければなりません。赤ちゃんとして生まれた新品の身体に宿る、ずっと以前から魂はあり、歳をとって使い古した身体から離れた後も、まだ魂は旅を続けなければなりません。死ぬ、ということはずっと身体に縛られていた魂が、身体から離れて自由になることだと、おばんちゃんは思っています。きっとどんなにか楽になれてうれしいんじゃないかしら」
P.162より
「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」

なんと分かりやすく、そして、知の詰まった表現をするのだろう。

私も死ぬ瞬間にこう言いたい。

「アキヤマユカリ ノ タマシイ、ダッシュツ、 ダイセイコウ」と。

(総合評価:★★★★★ 永久保存版にします。子供の夏休みの課題図書におススメします。)


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2008年7月10日 (木)

レット・バトラー(新編・風と共に去りぬ)第3、4巻

PhotoPhoto_2知人Kさんから「ゆかりちゃん、そんなこと言わないで続き読んでみて」と送られてきた「レット・バトラー(3巻&4巻)」を読む。

先日、こき下ろした(そこまでひどくは書いてないつもりなんだけどなー。一応、気にして柔らかく書いたんだけど)から、それを払拭しようとKさんが送ってきました。書いてみるもんだ(笑)。

さて、3巻と4巻ですが、これまた「読むに値しない本」だと思いました。
とか言いながら、しっかり読んでいる私。ただの活字中毒なんです。

中身がうす過ぎっ!!

これで、満足するファンがいたら、その人の能力を疑うねー。

...と、思うほど、進化無し。

「Kちゃん、5、6巻は送らなくっていいよ。」

と、言いたいほどのものでした。はっきりいって時間のムダ。良書は他にもありますので、次に行こう!


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2008年7月 9日 (水)

P.S.アイラヴユー&セシリア・アハーン

Photo_2友人Yより「ねーねー、いつ書いてくれるの?」とプレッシャーを受ける生活が続いているので、そして、そろそろ書いてもご迷惑にならないと思うので、書きます〜〜

以前、ここで書いたセシリア・アハーンの「P.S.アイラブユー」。(公式サイトはこちらです

いよいよ映画が日本公開(今年10月)です。

先日、プロモーションのために、作者のセシリアが来日。

ブログにもちらっと書きましたが、数年前、傷心旅行中だった私がストックホルムの空港でこの「P.S. I Love You」本を読み、号泣。その時に、行きずりのスウェーデン人のおばさんの優しさに、「人が人を傷つけるけれど、人によっても癒されるのだと身にしみた」経験をしました。そして、たぶん、そこがターニングポイントだったのだと思います。私は与えられた環境で私なりに幸せに生きて行けるようになりました。

そのきっかけとなった本を書いたセシリアが来日しているということで、どうしても一目会いたい!と、あの手この手を使い(幸い、この映画関係者が近くにいました)、来日中に、ほんのちょっぴりお目にかかることができました!!!!  
#私自身がすごく忙しいスケジュールだったのに、会える可能性があると分かった瞬間に、すごい勢いでスケジュール調整実施。こういう時に発揮する私のタイムマネジメント能力を、日々の生活にも発揮できるといいのだけれど... 
火事場の馬鹿力と同じなのではないか?と友人Yから指摘を受けてしまいました(笑)

会えると分かった時から、お会いするまで、胸がドキドキ。

ものすごい緊張と共に、一目お会いすることが出来、そして、彼女の書いた本への感謝の気持ちと、そして、この映画の成功をお祈りするとお伝えして、面会は終了。

とってもかわいい人でした!!!!

Ilove_youさて、映画の方ですが、プレミア試写会は大成功だったそうです。

ストーリー(再掲)
29歳のホリーは、10代の頃から付き合っていた1歳年上のゲリーとゴールイン。家族と友人に囲まれ、幸せな結婚生活を送っていた。楽しい日々がずっと続くと思っていた2人に突然の不幸が襲う。夫ゲリーの死だった。空想と現実の間でさまよいながら泣き暮らすホリーのもとに、ある日10通の封書が届く。それは、悲観にくれる妻が立ち直れるように、彼が遺していた手紙だった。愛に満ちた手紙のラストにはいつも「P.S. アイラヴユー」と。愛する人との永遠の別れと再出発を描いた感動作。

私も一足先に映画はこの春見ていたので、この試写会には行きませんでしたが、関係者の間では、トレーラーだけで泣けるという話題の映画です。特に、男性陣からは絶賛されている映画のよう。

で、私は...というと、本の印象があまりにも強すぎて、本の印象のまま映画を見てしまうと、「さらっと見れてしまって、重みが足りない」という意見になってしまうのですが、頭をゼロリセットにして、もう一度見てみると、「悲しい出来事を正面から撮りながらも、人は悲しみを乗り越えて行ける生き物だと、希望が持てる映画」であると思いました。

特に、最後のシーンでは、涙ボロボロ。ティッシュを一箱抱えながら(そして隣に紙袋で簡易ゴミ箱を作ってゴミ箱に使用)、文字通り、号泣しながら、見てしまいました。

ホリーの母親が非常にいい味を出しています。

生きて行くってこういうことなんだ。

今、そばにいる大事な人を大事にしよう。

そう思える映画です。

2008年10月18日公開なので、是非、見てください!
#著者に会えたから宣伝が露骨だと言わないでくださいね。ホントにいい本で、映画も本とは別物と考えればすごくいいんですよ!
##映画→本の順序の方が、いいかもしれません。


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2008年7月 7日 (月)

レット・バトラー(新編・風と共に去りぬ)

Photo_2Photo_3新編・風と共に去りぬレット・バトラー(原題:Rhett Butler's People)」(1、2巻)を読みました。

説明(ゴマブックスより)
「風と共に去りぬ」21世紀の新作! 波瀾に満ちた少年時代、南北戦争、そしてスカーレットとの出会い……香り高き歴史大河ロマン!

チャールストンの大農場主の長男・レット。奴隷を酷使する父に反抗し、士官学校は放校、決闘騒ぎを起こして実家から勘当される。南部を旅立ち、商人として各地を放浪するレットは、持ち前の商才を発揮しはじめる。ひとかどの男となり、南部に立ち寄ったレットは、バーベキューパーティで、スカーレットという美しい少女と衝撃的な出会いをするが……。

幼い頃より、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」の愛読者だった私にとって、駄作かもしれないという不安はあったけれど、やはり手に取ってしまう。そして、6巻中の2巻を読んだだけだけれども、「う〜ん...なんか違う!!」

原作よりもレットにスポットがあたっているので、彼の心理描写が濃いのは当たり前なのですが、他の登場人物が全く魅力的に描かれていない! しかも、登場人物が多すぎて、誰が誰だか分からない。そう、分からないほどに、書き分けられていないのです。

スカーレットとの出逢いのシーンも、もっと、レットにとって強烈なものとして描いてほしかったなぁ〜、チャールストンでの再会のシーン及びその後に続くシーンも、もっともっと深く描いてほしかったなー、なんか下手なロマンス物を読んでる気分。

..と思いながら、読み進んだのでした。3巻以降今後発売のようですが、どうしようかなぁ...買うに値しない作品。図書館に入るのを待つか、出版社に遊びに行って読ませてもらうか。2つに1つだな。と思う程度の作品でした。


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2008年7月 6日 (日)

大地

Photo久しぶりにパール・バックの「大地」を無性に読みたくなり、図書館へ走る。「大地」「息子たち」「分裂せる家」を借りてしまう。

ピューリッツァー賞とノーベル文学賞を受賞した彼女。重度の知的障害を持つ娘が一生お金に困らないようにベストセラーを出すと決意してこれを書き上げたと、高校の授業で習った記憶がよみがえってきました。そう思いながら読むと、また別の意味ですごいと思いながら読んでしまう。

自分が同じような状況でお金を作らなくてはいけなくなったらどういう方法でお金を作るだろうか?
少なくとも、ベストセラーを書くという方法ではないように思う。多分ビジネスを起こして、それをある程度に育てるんだろうなぁ...どんなビジネス!? なぞと、思わず自己対話してしまう。

大きく時代が変わろうとしている時期を舞台として選んでいる点が、そして、今、非常に気になっている中国が舞台だから、この本が読みたくなったんだなぁ...と思いながら、図書館で本を探していたのですが、読み始めたら、そんな小賢しい思いは吹っ飛び、ただただ圧倒されるばかりでした。

激動の時代を生き抜くと文字にしてしまうととても陳腐で安易になってしまうのだけれど、激動の時代に、幸せに生きるというのはどういうことなのか、とても考えさせられてしまいました。

パール・バックは娘を施設に入れざるを得なかったけれども、本では、白雉の娘も家族と一緒に暮らし生涯を終えることができたという形にしています。それは、自分が成し得なかったことを実現させたかったのかな...と、思いました。

最近、歴史に残る文学小説をずいぶんと読み直しているのですが、10代の頃には気づかなかったことや、感じなかったことが、数多く湧いてきて、改めて、読み直してよかったなぁと思っています。時間もかかるし、体力も必要なくらい長いものが多いのですけどね...


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2008年7月 3日 (木)

グリーン・レクイエム/緑幻想

Photo先日他界された氷室冴子さんと同時期に活躍していた作家、新井素子さんの「グリーン・レクイエム/緑幻想」を読む。

氷室冴子さんの本を読み返していて、新井素子さんを思い出して、この本を探しました。

学生の頃、何度もグリーン・レクイエムを読み返したことを思い出しながら、そして、なぜかその頃よくこの本を読んでいたYさんのジャージをきた横顔を思い出しながら、読みました。

ショパンというよりも、私の中ではなぜかラフマニノフが流れる小説なのですが、その音楽までもきっちりと頭の中で再現され、当時、学校をさぼって図書室の日だまりで本を読んでいた、その時の図書館のにおいや暖かい日差しまでもが再現されて、一瞬、タイムトリップしてしまったのかと思ったほどです。

緑幻想は、グリーン・レクイエムの直後の話。当時はまだ書かれていなかったもので、今回、グリーン・レクイエムを探している最中に、続きがあるのだと知り、買いました。

ある意味、ハッピーエンドで、私の中で描かれていたグリーン・レクイエムの続きとは違っていたけれど、静かな終わり方で、これはこれでいいかなと思いました。


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2008年6月29日 (日)

プリンセス・スータナ

先日貰った本「プリンセス・スータナ〜ロイヤル・ファミリーの隠された真実 」を読みました。

内容 3大陸に4つの邸宅があり、往来は専用の自家用機。もちろん、宝石やオートクチュールはうなるほど持っている―スータナは信じられないほど、富裕な王家に生まれた、サウジアラビアの王女です。しかし実際には、スータナは黄金の鳥かごの中に、自由も何もなく、父親と夫、息子や国にとじこめられた囚人でもあるのです。

「ノーと言える女性たち」というシリーズの2冊目だそうで、本の売上の3%が指定(7つの団体が選べる)した先に寄付されるプログラムが展開されていたようです。全世界で1500万部以上を売り上げているシリーズのようです。

衝撃的だったのは、このプリンセスが偽名でこの話をアメリカのジャーナリストにし、本を出版したことで、家族に彼女がこの話をしたことがばれ、彼女は自宅軟禁状態にあるということ。

サウジアラビアに関しては、私が尊敬しているジャーナリスト、大門小百合さんがサウジ滞在記を書かれていたり、彼女からいろいろとお話を伺って、西側諸国で言われているようなことばかりではないということは、頭では理解しています。

しかし、サウジアラビアの王女がこのようなことを考え、経験し、それを伝えようとして危険を顧みずにこのような本を出版するに至ったのは、やはりまだまだいろいろな問題があるのだと思いました。

「化粧室」「誕生」の章に関しては、ここでは多くを書きませんが、本当に悲しい出来事としか言いようがなく、この本を私にくれた人は、何を伝えたかったのだろう?と、プレゼントの意味を考え込んでしまいました。

自分の知らない世界に目を向け、視野を広げた上で自分の生き方を考える。

それがプレゼントに込められた想いだったのではないかと思っています。


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2008年6月28日 (土)

恋空

今更ではありますが、ケータイ小説「恋空」をケータイで読みました。

ケータイで小説を読む習慣が無いのですが、流行っているモノには手を出してみる(時期がすごく遅いのは認めますが)職業病が出ました。

読み終わった一言目。

「疲れた...」

明るくないところで読んだというのも原因の1つかもしれませんが(電車とかで読んでいる人の真似をしてみたのです)、とにかく1画面で読める分量が少ないので、ちょこちょこ操作をしないと先に進めないので、ホントに疲れました。

そして、画面に入りきる分量を意識して書いているのでしょう。文章が短いので、テンポよく読めるので、そのテンポと自分の操作スピードがなかなか合わず、イライラ。

しかし、真似したいと思ったのは、画面サイズに合わせて、文章を書くということ。

恋空そのものの感想よりも、ケータイで小説を読むという行為に対しての感想ばかりになってしまいましたが...

小説の感想は、「私はこういう感覚はイマイチ分からんなぁ〜」が、第一声。

きっと大人になって、なくしてしまったモノがあるのかもしれません。

が、この年代の頃の日記を引っ越し荷物から発掘して読み直してみたのですが、「ずいぶんとまじめな高校生だったんだなぁ〜、やっぱり時代の差!?」と思うほどまじめな内容しか書かれておりませんでした。当時読んでいた本についてのメモや、進路の悩み、人種差別への憤り、将来の夢、など、ホントに当たり前のトピック。きっと当時の私にも、この「恋空」の主人公の気持ちは分からないだろうなぁ...
#引っ越ししたばかりで部屋が全く片付いておりません。エンタメ三昧するよりも、部屋を片付ける方が大事かも!?

こういう文句をいいながらも、映画まで見てしまいました(笑)

映画もやはり... 私はあまり好きではありませんでした。原作が好きではないのだから、映画が好きである可能性は低いのは分かっていて、見ている自分の時間の使い方に「???」と思ってしまいました。


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2008年6月22日 (日)

ジョルジュ・サンド

Photoとても先進的なセンスを持った友人が先週他界しました。あまりに早すぎるその死をなかなか消化できず、彼女がとても好きだった作家、ジョルジュ・サンドを読み返したり、映画を見たりしています。ここ数年、自分と同年代の近しい友人たちが次々と他界する中、自分らしい生き方は何かを問わずにはいられません。そして、皆、同様に、「自分のためだけに生きず、誰かのためにも生きてほしい」と言い残して行くところに、胸が詰まります。

ジョルジュ・サンドの29歳からの数年間にスポットをあて、サンドとミュッセの恋愛を描くことで、サンドの一面を表した映画「年下のひと(Les Enfants Du Siecle)」を見ました。

内容(goo映画より)
1832年。29歳の女流作家ジョルジュ・サンド(ジュリエット・ビノシュ)は、夫と別居し、ふたりの子供を連れてパリへやってきた。そんな矢先、彼女はある朗読会で6歳年下の美貌の若き詩人ミュッセ(ブノワ・マジメル)と出会い、恋におちる。彼らの関係は文壇でスキャンダルとなり、ふたりは渦中を逃れてヴェネチアへ旅に出る。そこでふたりの前に現れたのが、病に倒れたサンドを診察した医師パジェッロ(ステファノ・ディオニジ)。病床でも生活のため執筆活動を続けるサンドを放って、ミュッセは夜遊びに出歩き、酒とアヘンに溺れたあげく倒れた。サンドは献身的に彼を看病しながらも、一方で優しいパジェッロと関係を深めていく。嫉妬に狂ったミュッセは単身パリへ戻るが、あきらめきれない彼は、パリへ戻ってきたサンドに情熱をぶつける。サンドも彼への愛を抱えながらも、ついにふたりは破局した。かくして、この恋はふたりの半生に良くも悪くも影響を及ぼしたのだった。


高校生の頃に愛読したジョルジュ・サンドですが、その頃は彼女の多面性があまり理解できず、どうしてそういう人生を送るのだろうと考え込んでしまったこともあります。大人になり、自分自身がいろいろな経験をしたことで、サンドの多面性が理解できるようになったこと、そして、サンドを演じたジュリエット・ビノシュがインタビューでも言っていたように、自分も彼女に近い性質を持っているのだと思うところも多数あるからか(若い頃には気づきませんでした)、若い頃よりももっと共感を持ってサンドの生き方を理解できる。そして、その気持ちを持って、サンドの作品を読むと、若い頃には見えていなかったものが見えてきて、深みを感じます。

ミュッセの苦しみがもっと細かく描かれていると良かったのですが、サンドの視点が重視されていたのかもしれません。

Photo_2サンドの代表作「愛の妖精」。

内容(「BOOK」データベースより) フランス中部の農村地帯ベリー州を背景に、野性の少女ファデットが恋にみちびかれて真の女へと変貌をとげてゆく。ふたごの兄弟との愛の葛藤を配した心憎いばかりにこまやかな恋愛描写は、清新な自然描写とあいまって、これをサンド(1804‐1876)の田園小説のうちで屈指の秀作としている。

サンドの繊細な面が非常によく表現されている小説。フランスの地方出身だった彼女だからこそ描けた小説ではないかと思います。

暖かい優しさとは何か?を問いかけてくるような作品だと思います。

フェミニストで男装の麗人として知られるようになったサンドですが、そして、ミュッセだけでなく、リストやショパンなどとも恋愛関係を持ち、その奔放な人生がピックアップされることの多い彼女ですが、繊細な心と女性らしさを誰よりも知っていた人なのではないかと思います。そして、そこに友がなによりも惹かれていたことは、彼女がいなくなった今だから分かることかと思うと、寂しさと悲しさに胸が締め付けられます。

女性としてどうしたら幸せに生きられるのか? 

年代を超えた大きな疑問に対し、私は死を前にしたときにどう答えられるのか、これから答えを出して行くべきことなのではないかと思いました。

友の冥福を祈ります(合掌)。


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2008年6月19日 (木)

Extreme Toyota(トヨタの知識創造経営)

ToyotaToyota2大学院の宣伝をしているわけではないのですが、ICSの大園先生、清水先生、竹内先生が書かれた「Extreme Toyota (トヨタの知識創造経営)」を読みました。
#確かに竹内先生は猛烈にこの本のPRをしておりますが、一読者として純粋にレビューを書くだけです。(私は単位は必要ないし、お三方は担当教官では無いもの〜)
##ちなみに、日本語版は6月21日発売だそう。

内容紹介(Amazon.co.jpより)
『Extreme Toyota』待望の邦訳。 アメリカ先行発売、ハーバード・ビジネス・レビュー誌も取り上げた注目作!人材力と組織力を連続的に成長させる新時代の経営モデル。 「本書は、これまでにない徹底的な調査研究によって、世界最高の会社のひとつであるトヨタの本質を明らかにした。日本で最も革新的なビジネススクールで教える著者たちは、トヨタが単にその生産方式にとどまらず、ユニークなマーケティング、販売、人的資源管理へのアプローチによって成功したと指摘している。トヨタは自動車製造を知識主導産業へと作り変えた。トヨタは、明らかに矛盾する事象を管理する能力によって、継続的なイノベーションや自己革新をはかっている」~マイケル・E・ポーター(ハーバード大学ユニバーシティ・プロフェッサー) 「IBMのビジネスリーダーシップ・フォーラムにおいてトヨタの張富士夫会長は、グローバル企業の唯一最大の課題は、価値の高いスキルを確保することだと述べた。本書は、この驚くべき企業がいかに資源を『訓練、訓練、また訓練』に費やしているか、また今日のビジネスが業務の効率性や戦略だけでなく、いかに人材に依存しているかを示している。また、本書は、トヨタは経営のソフトな面、企業文化、関係性の構築、コミュニケーションなどにおいて、いかにすぐれているかを示している。経営幹部にとって、現代のグローバル経済におけるイノベーション、競争における差別化、成長の真の要因を知るための必読書である」~サミュエル・J・パルミサーノ(IBM会長兼社長兼CEO)

なんでToyotaみたいなTraditional Japanese CompanyがSionみたいな車を出して、あんな広告ができるんだろう!?

ジェネレーションYをターゲットにした奇抜なマーケティングにトヨタらしさを全く感じず、しかし、ジェネレーションYの心はがっちり掴んだなと手応えのあったSionプロジェクトの秘密がこの本を読むと分かります。

トヨタという独特の文化の中でSionをあぁいう形で出せるのはホントに凄いっ!!と、心から尊敬していたので、その謎を解き明かしてくれたこの本は、「なんだか今ひとつ壁が破れないんだよっ」と思うビジネスパーソンに是非読んでいただきたい本だと思いました。

大園先生が6年に渡りトヨタを追いかけていたことによるトヨタに関する知見。竹内先生が途中から参加し、トヨタ教(私はトヨタ文化は一種の宗教だと思っています)に染まっていないことから出てきた素朴な疑問を答えて行ったであろう分析。こういうチームでなければ成し得なかったであろう示唆深いケーススタディとなっています。

1つ注意が必要なのはトヨタクラスの大規模企業で働く私にとってはあくまでも「参考」にしかならないということ。こういういい点をすべて真似るのは無理。しかし、自分のチームにとって、あるいは自分の会社にとって、取り入れられる部分があるのであれば、それをどういう形で取り入れ、自分の会社の文化として根付かせるのか、考えるヒントが詰まっております。そういう視点で本を読むと、とってもいい本です。

ところで、竹内先生が本のタイトルが気に入らないとおっしゃっていました。本当は"Green Tomato"にしたかったそうです。いつまでも自分たちが完成形ではないというトヨタの精神を表現したかったからだそうですが、出版社からNGを出されたとか。個人的には、Green Tomatoの方が良かったな〜、と思います。それにしても、この日本語の面白くないタイトル、なんとかならないものなのでしょうか!?

(総合評価:★★★★☆ 私の素朴な疑問にダイレクトに答えてくれた本。会社の人に読むのを勧めたいと思いました)


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2008年6月18日 (水)

Noel M. Tichyさん&Judgment

Judgement大学院の特別セミナーでリーダーシップ論の大御所(Action learningの開発者としても著名です)Noel M. Tichy先生が講演されるということで、海外出張から帰国する日だったにも関わらず、スケジュールをなんとか調整して参加しました。

一番前の列に陣取り、会えたら絶対聞こうと思っていた質問を激しいQ&A合戦(この大学院は留学生比率が高く、皆質問をよくするのです)を勝ち抜き(!?)無事質問できました。もっと深い答えが本当は欲しかったけれど、考えるヒントを2つもくださって、これが「先生」の「先生」たるゆえんなんだろうなぁ...と、しみじみ思う。

ICSの竹内先生がTichy氏をカウボーイと呼ぶ理由もご本人にお会いして納得。ホントに知的でアクティブで素敵な方でした。本のイメージ通り。

セミナーの後は先生を囲んで飲み会。先生がされていることと、今私がしていることの親和性がすごく高かったため、先生からずいぶんと話しかけてくださって、とても長い時間いろいろとお話をすることができました。

そもそも大学院の規模が小さいので、集まっていた人数もそれほど多くは無いので、インタラクティブなセッションなのが、我が校のとても良いところだと思います。

最後は写真撮影で先生の隣で肩を組んで撮ってもらえてとてもラッキ〜〜。夏にアメリカでまた会えることになりそうです(わくわく)。

先生の最新刊「Judgment」。オーダーしていたのになかなか届かなくて、やっと本日ゲット。今日は仕事ですごく遅くなってしまったので、お風呂で斜め読みしたのですが、なかなか示唆深い本です。週末にゆっくり読み返すつもりです。

内容(From Publishers Weekly)
Leadership gurus Tichy (Control Your Own Destiny or Someone Else Will) and Bennis (On Becoming a Leader) examine the critical role judgment plays in effective leadership. Calling judgment the essence of leadership, they identify three judgment domains that can undermine any leader's success—people, strategy and crisis—and explore such challenges as selecting the top team, CEO succession, and crisis as a leadership development opportunity. The good news: even if one isn't born with good judgment, it can be learned. To sustain it, a leader must have character, courage and clear standards, especially when facing obstacles. For example, Jim McNerney, who became CEO of Boeing when it was amid a Justice Department investigation, developed a story line—or Teachable Point of View—that created and reinforced a theme of high ethical standards, bringing about a new partnership with Boeing's stakeholders. Additional real-world examples from Royal Dutch Shell, Proctor & Gamble and General Electric illustrate critical points of both good and bad judgment. Easy-to-read charts, lists and matrices reinforce key points. Particularly useful is the final Handbook for Leadership Judgment focusing on the practical level. This engaging and thorough work should be mandatory reading for executives and managers at all levels.

リーダーの決断やdecision makingについて語っているとてもいい本です。

この中に出てくるBest & Worst Judgment Callの話がとても興味深い。私自身の一番良かった・悪かったビジネス上の判断を考えてしまう。彼の話の中にも出てきますが、結局は、人、戦略、危機の3つの要素を見た時に、Best judgment callはそのどれにでも当てはまるケースが多いけれども、worst judgment callの場合は、『人』が理由だったケースが6−7割とは、本当にその通りだと思います。
結局のところ、最後は『人』なのだと、自分の痛い経験も思い出しながら、本を読んだのでした。

(総合評価:★★★★★ リーダーシップ論やビジネス上の決断プロセスについて知りたい方はMUST READ)


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2008年6月15日 (日)

團十郎の歌舞伎案内

32055750市川 團十郎(十二代目)氏の「團十郎の歌舞伎案内」を読みました。
#はじめにの中で、團十郎が正しい表記で、団ではないと書かれていたので、あえて当用漢字ではない團をここでも使います。

内容
歌舞伎の真髄とは何か? 役者はどのような思いで演じているのか? 理論派で知られる歌舞伎界の名優が、みずから語る日本文化の美意識。

以前から声楽の渡辺誠先生から歌舞伎や能を見て勉強できることが多いと言われており、今年は歌舞伎をはじめとする日本芸能を勉強したいと思っていたので、手に取りました。オペラよりも、もっと、基礎知識が無いと楽しめないものだと思っているので、今年は舞台を観にいくよりも、まず、基礎知識習得のところから。

市川 團十郎氏は、今年はじめに観にいった「雷神不動北山櫻」の市川海老蔵のお父様にあたる方です。文中、この「雷神不動北山櫻」について、團十郎氏ならではのご意見が出てくるのも興味深い。

「私も見ましたが、頑張ってなんとかよくまとめていたなと思います。ただ、大詰めでお見せしたラスベガスのイリュージョンを使った空中浮遊の演出。全体を見たときに、あの部分は、はたしてほんとうに効果のあるものだったのか、歌舞伎の時代物らしく演出する方法もあったのではないかと、わたくしとしては少々疑問なのです。(中略)たしかに「おまえ、それは市川家の格じゃないよ」といいたい部分もございます。でも一方で「とにかくやるだけやってみろ。それから文句をいわれたほうがいい」と思うんです。」(P.96より)

ご自身でも「わたしくも二十代、三十代のころは生意気なことを言っておりましたし、自分では古いものをやめて新しく変えたなんて思い上がることもありましたけれども」とおっしゃっているので、海老蔵氏の思いも意気込みも分かった上で、こうおっしゃっているのではないかと思うのです。それをあえて口にしないところが(文章にしてしまっているので、ご子息としては複雑な思いはあるのでしょうが)、すばらしいなと思います。

このような思いはどの家族にでもあるのではないかと思います。昔から父のことはとても尊敬していましたが、一時はとても反発をし、彼の言葉に耳を貸さなかった時期も短くはありません。「お父さんの頃とは時代が違う」というのは当時の私の口癖。不思議なことに、最終的には父と同じような職に就き、自分が会社の中で仕事をする時間が長くなればなるほど、父がしてきた仕事に対して尊敬の念を抱きますし、そして、父から時折来るメールや電話でのアドバイスの一言一言を噛締め、父の考え方や仕事に対する想いに対して、自分は果たしてそこまでいけるのだろうかとも思ったりします。

話を本に戻すと、「矢の根」の掛詞のお話では、江戸時代の庶民の知識レベルの高さに驚きました。洒脱な言葉遊びを理解できるのは相当の知識がなければできないこと。現代のお笑いのレベルが下がったと言われるのはこのあたりにあるのではないかと。芸人のレベルが下がったというよりは、聴衆のレベルの問題もあるのだと思います。そして、矢の根の解説なしではまったく理解できない自分の日本語(すべての言語においてですが)力の低さを恥、もっと勉強すべきことはたくさんあるのだと、ちょうど先日「音楽と社会」を読んだ時にも感じた気持ちが沸いてきました。

この本の多くの箇所を引用したいほど、知が詰まっている本で、しかし、それを非常に分かりやすく、面白く書かれていて、市川 團十郎の世界に引き込まれます。青山学院での集中講義の内容がベースだそうですが、この授業を受けに行きたかった!受けられた人はとってもラッキーだ!と、うらやましく思います。

書籍は持ち運びができ、自分の都合のいい時間で、どこにいても勉強をさせてくれる、非常にいい先生です。図書離れが進んでいるのは、本当に残念なことでたまりません。

(総合評価:★★★★★ 非常にいい本です。保存版にします)


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2008年6月 9日 (月)

フランス女性の12か月

PhotoLVMHグループのヴーヴ・クリコ社社長である著者ミレイユ・ジュリアーノがフランス人女性の生活を語った「フランス女性の12ヶ月」を母から貰う。

前作の「フランス女性は太らない」は、姉が絶賛していた本。確か、New York Timesか何かにも非常に良い本だとレビューが書かれていたように記憶しています。

こちらはまだ入手できていないため、読んでいないのですが、会食の多い仕事に就いている女性(男性もですが)はMUST READと言っていたのが、頭の片隅に残っていたため、同じ著者の本なので、学ぶことも多いかと、お風呂の中で一気読み。

手軽にできるレシピも多く、季節を感じさせる1冊ではありますが、私が知りたかった「食べているようで食べていない技術」についてはあまり言及されておらず、やはり、「フランス女性は太らない」を読むしかなさそうです。

会食が多い仕事に就いていると、どうしても、「食べたくないものでも、食べているように見せる技術」は必須。

私なりにいろいろと工夫はしているのですが、まだまだ工夫の余地はありそう。

会食の多い仕事に就いている皆様はこの問題どうやって解決しているのでしょうか!?


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2008年6月 8日 (日)

追放されしもの(クロニクル千古の闇4)

Photoエイラシリーズに続いて、私がはまっている「クロニクル千古の闇」シリーズの第四弾、「追放されしもの」が4月に出たので、なかなか読めなかったのですが、この週末に読みました。

トラクもレンも思春期に入って来た感じが非常によく描写されていて、この後どうなるのか、非常に楽しみです。魂食らいにされてしまって以来、非常に暗いトーンで、しかし4巻は少し明るい未来が見えて来たような気がします。

氏族なし、という、どこにも属さない、トラクの悲しみが痛いほど伝わってきました。

とてもよくリサーチされているものの上に書かれているのは、エイラのシリーズと同じ。大人でも読み応えのあるこの本は、エイラシリーズ(性描写が多いのが気になる)よりも子供に読んでもらいたいと思います。

(総合評価:★★★★★ 地味だけれど、しっかりとしたストーリー展開。今後に期待。)

過去のシリーズのレビュー
3作目: 「魂食らい」
2作目: 「生霊わたり」(前のブログからレビューを移行していないので、移行します)
1作目: 「オオカミ族の少年


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2008年6月 7日 (土)

音楽と社会

Photo_2先日お食事をした際に、鉄鋼ビルディングの増岡総一郎氏が絶賛していた本、「音楽と社会」が送られてきたので、週末のんびりとした気分の中で読む。

内容(「MARC」データベースより)
世界的なピアニスト・指揮者のバレンボイム(イスラエル国籍)と、パレスチナについて真摯に語り続けるサイードとが出会う。パレスチナとイスラエルの音楽家を招いたワークショップの話、土地の問題化、音楽と社会を語る。

音楽を通じて、民族の理解と融合をすすめようとした試みは、この本を読んで初めて知りました。平和活動と口で言うのは容易いけれど、それを実現するにはどうしたらいいのか? 1個人としての寄付という形以上のものをどう実現していくのか、近年、この疑問に、自分なりの答えを持って仕事をしてきていたつもりではありますが、こうして、自分なりの答えを持ちながら行動に起こして行ける人たちは、本当にすばらしいと思いますし、自分もそうありたいと強く願います。

トップクラスの知識人が織りなす会話の深さに感動すると同時に、まだまだ自分の勉強が足りないことを思い知りました。また、バレンボイム氏とサイード氏(対立する民族出身)が、音楽を通じて、友情を深めて行ったことが、音楽をする者としてとても嬉しく思いましたし、自分が奏でる音楽が、そのレベルに達せるように、もっと練習に励みたいと思いました。

よく歌うバーンスタインと、バレンボイム氏やサイード氏の違いはどこにあるのか、もうしばし考えてみたいと思います。

増岡さん、素敵な本のプレゼント、ありがとうございました!


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2008年6月 6日 (金)

氷室冴子さんを偲ぶ

私の大好きな作家の1人、氷室冴子さんが肺がんのため死去したというニュースを聞いて、彼女の作品を読み返しています。

彼女のジュニア青春小説新人賞佳作で入選し、デビュー作となった「さよならアルルカン」は、大人になった今でもものすごく好きな作品の1つ。10代の頃、なんど読み返したことでしょう。

「なんて素敵にジャパネスク」のシリーズが大ヒットしたけれど、私は同じような寮生活をしていたからか、「クララ白書」、「クララ白書ぱーとII」、「白い少女たち」が好きでした。リアリティ溢れる世界は、彼女の実体験がかなり入っていたとも言われます。

彼女の作品、「海がきこえる」はスタジオジブリがアニメ化したし、「クララ白書」と「恋する女たち」は映画化されました。ここ最近はあまり活動はしていなかったけれども、いい小説を書く作家さんだったと思っています。「海がきこえる」はアニメージュに連載されていた頃はリアルタイムで読んでいたほどの氷室ファンでしたが、(当時はアニメオタクでした。今は...少し卒業したと思っているけれど)、アニメ化は、原作の持ち味が壊されてしまうのではないかと、1ファンとして本当に心配しましたが、映画化されたものを見て、氷室ワールドがあまり壊されていなかったので、一安心したことを思い出します。

青春時代(こう文字で書くとなんだか恥ずかしいけれど)を一緒に過ごした作家の方が、51歳という若さで逝ってしまうのは、本当に悲しいですし、ファンとして、残念でたまりません。彼女の作品を読みながら、彼女の永遠を祈ります。合掌。


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2008年5月24日 (土)

マリア・カラス オペラの歌い方

Photoここしばらく読み込んでいる本「マリア・カラス オペラの歌い方」。

内容(「BOOK」データベースより)

不世出のプリマドンナの語るオペラ歌唱の真髄。これは第一人者マリア・カラスにして初めて語ることのできる〈伝統〉―すなわち、楽譜や書物からはうかがい知ることのできない、オペラの歌い方に関する慣習についての本である。

ジュリアードでの23回の講義をまとめた本で、解釈の仕方について、歌い方について、本当に勉強になる本です。音大出身ではないので、勉強が足りないから、こういう本が手元にあるのは本当にありがたいです。

自分が歌うものだけでなく、同じ作曲家のものであれば、全部読んで、楽譜を読むと、今まで見えてこなかったものが見えたりするので、やはり、偉大なソプラノはすごいなぁ。。。と、思ってしまいます。

特に、カデンツァの部分のアドバイスだけでなく(カデンツァにも時代の波があるのだとはっきり分かります)、表情の付け方までアドバイスされているのが、彼女のすばらしいところ。

同じ時代に生きられなかったのが残念でたまりません。(私も授業を受けたかった!)

先生からマリア・カラスやスミ・ジョーと比べるのは、専業歌手ではないのだから、何もそこまでしなくてもと言われたけれど、上を見たらきりが無いけれど下や隣を見て自分の成長を止めたくないなぁ...と思います。

それにしても、時間に追われまくっている今日この頃。なんとか練習の時間を捻出しているのですが、今ひとつ勉強量が足りないように思います。どうやってタイムマネジメント力をあげるかが、最近の課題。


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2008年5月23日 (金)

雨の牙のバリー・アイスラーに会う

Novelレイン・フォール/雨の牙」が、都内でクランク・イン。それに合わせて原作者のバリー・アイスラー氏が来日。そして、お会いできる機会がありました。

めちゃくちゃ東京贔屓の彼のお話は、彼の人生がフィクションではないかと思うくらい、スリルと話題に溢れていて、溢れ出すものを伝えようと、ものすごく早口でお話するのが特徴でした。

レイン・フォールのプロットは、東京の地下鉄に乗っていた瞬間にできたはなし、エスカレーターがあると思ってとびあがったら工事中だったため17フィートも落ち10ヶ月の怪我をしてしまったこと。ものすごいやばい事件が起きると、人は情報を処理しきれなくという話は、大爆笑でした。

17フィートから落ち、綿埃にまみれていた彼を心配した日本人の作業員の方々への最初の言葉がなんと...

「すみません。お手洗いはどちらですか?」(もちろん外人なまりのきれいな日本語で質問)

??????? となる作業員の方。

俺はいまどんな体をしてるかみたいだけなんだよー

(大爆笑)


そう、追いつめられた時ほど、人間の行動はおかしかったりするものです(しみじみ)。

このような話をすごいスピードで話ていらっしゃいましたが、大事なメッセージ。「苦労の向こうに成果がある」

私も作家だし、すくなくとも周囲にはそれなりに作家人口がありますが、たぶん、皆同じことを言うのだろうなぁ...と思いました。

自己紹介のときに、作家と伝えたところ、あるコミュニティに絶対はいってねとすすめられました。そこでの出来事はまた今度!!

2009年の映画公開、是非、観に行きましょう!


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2008年5月 9日 (金)

コレラの時代の愛

Photo渡辺千賀さんとお寿司を食べたときに、面白いと絶賛していたので、図書購入禁止令を破ってまでゲットした「コレラの時代の愛」。

内容(「BOOK」データベースより)
夫を不慮の事故で亡くしたばかりの女は72歳。彼女への思いを胸に、独身を守ってきたという男は76歳。ついにその夜、男は女に愛を告げた。困惑と不安、記憶と期待がさまざまに交錯する二人を乗せた蒸気船が、コロンビアの大河をただよい始めた時…。内戦が疫病のように猖獗した時代を背景に、悠然とくり広げられる、愛の真実の物語。1985年発表。

まず、くどいほどに長い小説。長くて、くどいんだけど、一気に、スピードよく読みきれる文体は、オリジナルがよいのか、翻訳がよいのか、あるいはその両方か!?
#近年、翻訳や通訳問題に悩まされ続けているので、どうしても翻訳の質が気になってしまうのです。

それにしても、千賀さんの話を聞いたときには、「50年も待ち続ける男がいるのか!?」と思いました。が、本を読んで、ホントにこういうことを思う男がいるのだと(小説だと分かっていても)、ちょっと感動しました。

私は浮気性(!?)なので、ここまで待てない。浮気性というよりは、気が短いだけなのかもしれないけれど。結果が出そうも無いものに時間をかけるよりも、結果が出るものに時間をかけるタイプと書いたほうが聞こえがよさそう(笑)。

待ち続ける間に、「浮気」をして、男を磨いていく様がすごいです。男は独身なので、女性と戯れるのは、浮気にはならないと思うのだけれど、「愛している女性がいる」ということから、彼はそれを浮気と考えるのだから、その思考回路に、驚きます。彼女に見合う男になろうと、自分磨きに励む姿を、どこぞの誰かに読ませたい。ここまで、想ってくれる人がいるっていうのは、女性としてはうれしいでしょうね。

72歳になった彼女がご主人の事故で未亡人となって、50年ちょっと待ち続けた彼が告白するところも、すごい。。。

とにかく、「すごい」としか表現しようがなく、自分は絶対にできないと胸を張っていえる(威張ることじゃないけれど)。だからこそ、こういう小説がじーんと心に響くのかもしれません。

この記事を書きながら、自分の形容詞表現があまりにつたないので、恥ずかしくなっています。ここ最近、日本にいないので、日本語力が落ちているのかもしれません… 

このプロットを考えて、ここまで細かく書き込んでいく小説家も本当に見事です。さすがノーベル文学賞作家! 

文章を書くという意味でも、本当に勉強になりました。

ところで、千賀さんがお勧めという本にある傾向があることが最近分かってきました。


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2008年5月 8日 (木)

こうふく あかの

Photo_3西 加奈子さんの「こうふく あかの」を読みました。

内容紹介(amazon.co.jpより)
二ヶ月連続作品「こうふく」シリーズ第二作結婚して十二年、三十九歳の調査会社中間管理職の「俺」の妻が、ある日他の男の子どもを宿す話。二〇三五年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。二つの話が響き合う。

みどりにつづきこちらも読んで見ました。

友人の勝間和代さんが「すべての出来事は必然である」とよく言っているけれど、それを体現している本だわぁ~ というのが、読み終わったときの、第一声。

小さな出来事の積み重なりが、大きな一連の事件と発展していく。

こう書くと大げさに聞こえるかもしれないけれど、生きるってことはそうなんだろうなぁとこの本を読みながら思いました。

連続性から生まれる小さな幸福だってある。

そういうことが伝えたかったのかしらん。。。


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2008年5月 7日 (水)

こうふく みどりの

Photo_2西 加奈子さんの「こうふく みどりの」を読みました。

内容紹介(amazon.co.jpより)

「こうふく」二部作、二ヶ月連続刊行!
十四歳の緑が語る物語と、棟田さんという謎の中年女性が語る物語の、二つの物語で構成される本作は、
「女の生きる道」を大きなテーマとし、西氏にとって挑戦作ともいえる作品です。

最近とても話題になっている本のようで、あちこちの雑誌で書評を見かけます。出たばかりのころに買っていたのですが、なぜか今頃読んでいる私。

最近、仕事で疲れているのか、さらっと読めるもの以外に手を出そうという気がうせていて、万葉集を読み終わったあとは、とても薄い本ばかりを読んでいます。薄くて中身も無いとなると、「時間の無駄じゃぁ~」と叫びたくなるのですが、手のほうも私が叫ばないように気を遣っているのか、「さらっと読めて、しかしそれなりに考えさせる薄い本をゆかりに渡す」ミッションを達成し続けています。やるな、私の「手」。
#数箇所につみあがってる本を上から1冊ずつとっていくので、運が悪いと「中身の無い、面白くない」本に当たります。

さらっと読めました。さらっと読めたのですが、考えることや感じることが多くて、ある意味疲れる本でした。私の場合はトリップしすぎなのが疲れる理由なのですが。

14歳の緑の視点。あぁ、そうだな、若かったころはこんな感じ方をしてたよな。。。と、懐かしさがこみ上げてくると同時に、14歳の自分にトリップ。ちょうど設定が自分の家族(女ばかりの姉妹の家族)と似ているので、ますます当時の自分を思い出すことになってしまい、あのとき、自分の行動を姉の目で見直してみると、こういうことだったのかな。。。なぞと、考えてしまいました。

違和感を感じるのは、独白チックな棟田さん。せつなさのほうが多かったように思いました。

切ない、でも、暖かい。それは、自分の思い出や経験がついてくるものだから。

そんな本でした。次は赤を読みます。


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2008年5月 6日 (火)

大人の友情

最近、ネット接続の悪い環境に出張していたため、ブログの更新が遅れています。やっと更新です。ご無沙汰してしまいました。

Photo臨床心理学者・心理療法家の 河合 隼雄氏の「こころの処方箋」は大好きな本でした。昨年夏に亡くなられて、彼のエッセイがもうこの世に出てこないかと思うと悲しくなります。

さて、最近、友情に関して、いろいろと悩んでいたので、手にとった「大人の友情」。

友情を支えるものは何かを説いた章では、白州正子さんの「いまなぜ青山次郎なのか」から、小林秀雄と大岡昇平の友情の話が出てきたり、裏切りの章では、またまた白州正子さんの本から、小林秀雄が中原中也の恋人を取った話が出てきたり、具体例たっぷりで、面白く分析させていただきました。

ちょうど2ヶ月前に「中原中也との愛―ゆきてかへらぬ」について、こちらに書いたばかりだったので、記憶がフレッシュ。そういう見方もできるのかと、ますます考えさせられてしまいました。

「同一性」「うっとおしさ」このあたりは、最近私が、悩んでいることに対して、大いなるヒントをくれました。

友情というトピックとはちょっと脱線してしまうのですが、この本の中で出てきた最高の言葉は、「イライラしているときは、何かを見通していないからだ」という1文。

ちょうど、イライラしていたこともあって、この1行に出会って、ふっと一歩引いたところから考えてみたら、答えが出ました。

大人になると友情の形はとても難しくなるように思っていたのですが、それについてこうしてヒントをちりばめたエッセイを書いてくださった河合先生がもういらっしゃらないのは、本当に残念でたまりません。空の上から、ばたばたもがいている私たちを見ながら、「やっとるなぁ~」と思われていらっしゃるのかもしれませんね。(合掌)


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2008年4月24日 (木)

万葉集

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コンサート終了後、

クラシックとは何か? 

それを追求していたら、なぜか「万葉集」の夢ばかり見るので、神様のお告げ(大げさ?)と思い、「万葉集」を読みました。

出版社/著者からの内容紹介(amazon.co.jpより)
『万葉集』は日本人の心の古典であり、貴族から庶民に至る各階層が、見事に謳いあげた、世界に比類なき民族詩の金字塔である。いま、その万葉を、原典との照応が一目理解できるよう、原文、読み下し文、全訳、語注をそろえ、万葉学の第一人者である中西進博士がその蘊蓄を傾けて贈る。全4巻別巻1巻。

1つ疑問なんですが、なぜ、万葉集には、