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2012年5月

2012年5月30日 (水)

(Study) 上智のコミカレ「生殖医療・倫理・法」 第七回

第七回は、矢島先生の「生殖医療と障害者差別」でした。

「人権は対国家 or 権力」という最初のお言葉が、ずーんっ!と、心に響いた授業。

日本産婦人科学会による着床前診断に関する各国の制度の比較(科学技術文明研究所・日医総研より)」は、非常に興味深い。日本の規制法がないというのが、アメリカ、イギリス、フランス、スウェーデン、ドイツ、オーストラリア、スイス、オーストラリアとの比較で顕著。以前、生殖医療の仕事をしていたときにも、先進国で唯一法規制がないのが日本!とやり玉にあげられていたことを思い出します。

公のレベルでどこまで自己決定できるのか?が、議論のポイントとなります。

”知っていたら教えてあげるけど、知らないなら教えてあげない”というタマイマリコさんの議論についても言及されて、「知らないなら教えてもらえない」という点があることに(多くのモノはここに入るのかもしれませんが)、ドッキリ。

先日、友人が21週を境に、子供を助けることになるということを知らなかったことについて、無知だと思ったけれど、こういう考え方があることを知り、自分の無知さ加減に腹が立ちました。

この講義では、”自己決定権”の意味するもの”私的な事柄に関しては、他人を害することのない限り、自らの決定により、自らの責任においておこないうる”という考え方に対し、”自己決定の限界”について議論を展開する点が、非常に勉強になりました。

普段の生活で”自己決定権”なんて使いません。が、日本の憲法13条では「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定義されているわけで、さらに、第24条2項では、「配偶者の選択...家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とあり、尊重 vs 尊厳の問題がここで出てくるとは思いもせず!! 憲法まで見ている医療関係者なんていないのでは!?と、しかし、日本に住んでいる以上、日本人である以上、憲法は大事なので、「なんで今までカバーしていなかったんだ!?」と思ったり。授業の間中、頭の中で、いろいろな議論が飛び交っていました(自分の頭の中だけです…)

リプロに関わる自己決定についてもさらに矢島先生は議論を展開。

  • 子供をもつ(産む)こと
    人工授精、体外受精、代理懐胎
  • 子供をもた(産ま)ないこと
    不妊手術、避妊、人工妊娠中絶手術
  • みずからが望む子をもつ(産む)こと
    減数(減胎)手術、男女産み分け法、出産前診断術、着床前診断術

これらについての自己決定の限界について言及され、具体的には以下の2点について議論されました。

  1. 妊娠中にそれが判明し、人工妊娠中絶手術をすること
  2. 妊娠前にそれが判明し、着床させないこと

私からすれば、本人がそうしたいと思えば、そうすれば?という感じだったのですが、本人が望む・望まないにせよ、法的にはそういう立場は取れないことであったり、非常に難しい問題が絡んでいることを、矢島先生はご指摘されました。

しかし、このような法的な理由で医師はその立場を取れないというのは、なかなか一般市民(特に女性)には知られていないのではないかと思います。生殖や周産期の仕事をしてきている私ですら知らないことも多いのであれば、一般の方は、さらに知らないのではないか!?

ブログにこういうことを書いているのも、物議を醸すことは分かっているのですが、「事実」として知っておいてもらいたいなぁと思うことを書いておくことで、少しでも世の中に知ってもらえるといいなぁと思うからです。(習ったことを忘れないという点もありますが)

最後に…「自己決定する場合は、自己責任取れるところまで、引き受けられるまでやる」というお言葉がこの議論を決定付けているのだと思いますが、「責任の中身は何なのか?」これをきちんと議論し、落としていかねば、一般の方々からのご理解は得られないのではないかと思いました。

今日もハードな内容の授業でした。

過去の上智コミカレ「生殖医療・倫理・法」の記事

2012年5月28日 (月)

(Food)Ben & Jerry's 表参道ヒルズ店

Ben1やっと入れました! Ben & Jerry's表参道ヒルズ店!!

アメリカで育ったので、Ben and Jerry'sのアイスで育ったといっても過言ではありません。

フィールドトリップで、ショップに連れて行ってもらい、Ben and Jerry'sの社会的メッセージの意味をレクチャーされながら、真剣にアイスクリームを選んだことが脳裏に焼き付いています。

日本上陸は実は2度目。最初は、セブンイレブンと組んでいたのですが、うまくいかずに撤退。この頃から、すでに私は購入者でしたが、こうやってお店が来てくれるとうれしい!!

しかし、Ben and Jerry'sのメッセージ性はどこへいったのやら??

Ben2Ben3店内には食品の安全性やこだわりについて書かれているものはあるけれども、この会社のすごいところは、なんといってもその社会的メッセージ性。社会のためになることを、楽しい方法でやるという名言を残したのは創業者のJerry Greenfield。

日本では出すのかなぁ〜と思っていたけれど、やっぱり出なかったHubby Hubby。こういうブラック的なネーミングセンスがBen & Jerry'sの良さなんだけれど、これをどうやって日本でマーケティングしていくのかなぁ? 要チェックだなぁと思いました。

今日食べたのは、オーソドックスにCherry GarciaとChocolate Fudge Brownieです。

お友達などは甘過ぎ!と言っていたけれど、私にとっては子供の頃から食べているおなじみの味で、ちょっぴりホッとしました。フレーバーが変わってなくってよかった〜〜

2012年5月27日 (日)

(Movie) Men in Black 3

Men_in_black_iii公開されたばかりの「Men in Black 3」を観てきました。

あらすじ(映画.comより)
ウィル・スミス&ト ミー・リー・ジョーンズ主演で、地球に生息する異星人を監視する極秘組織「MIB」のエージョントの活躍を描く人気SFアクションコメディのシリーズ第3 作。MIBのエージェントJは、コンビを組むKが単独で事件を追っていることを不審に思い問いただすが、Kは全く取り合わない。さらに上司からは「Kは 40年前以上に亡くなっている」と聞かされ、過去が書き換えられていることに気がつく。謎を解明するためJは40年前にタイムスリップするが……。若き日 のKに扮するのはジョシュ・ブローリン。前2作から引き続きスティーブン・スピルバーグ製作総指揮のもと、バリー・ソネンフェルド監督がメガホンをとっ た。

MIBなのか!?こんなにシリアスでいいのか!?

馬鹿笑いを期待していたのに、拍子抜け。シリアスで、KとJの過去と関係が分かる、それはそれはじ~んとくる作品なのですが、ブラックジョークにお腹を抱えて笑うことを期待しながら見に行ったので、ちょっとがっかり。レディーガガが宇宙人という設定くらいでしょうか!?

KがJの手をつなぎ、歩き出す最後は、ほろりと来ました。思わず涙があふれてしまうほど。そういう意味では、とってもハートフルな映画なので、MIBシリーズとしてみなければ、ぐっときたと思います。あまりに「笑い」に期待値を置きすぎてしまいました。

(総合評価:★★★☆☆ 笑いたければおすすめしません)

2012年5月23日 (水)

(Study) 上智のコミカレ「生殖医療・倫理・法」 第六回

今日は、マイケル・ライター先生が来日していたことから、コミカレ「生殖医療・倫理・法」には出席できず、友人より資料を貰って、自己学習。

本日のテーマは、滝澤先生の「遺伝カウンセリング、DTC(direct to consumer)検査」です。

内容は以下の通り。

  • 悪い知らせをどのように伝えるか
  • 遺伝性疾患は、誰でもが遭遇し得る病気
  • 遺伝治療の現場で
  • 遺伝子カウンセリング
  • 遺伝子カウンセリングとその担い手
  • 日本における遺伝カウンセラー養成の進捗状況
  • 認定遺伝カウンセラー
  • 養成終了までに身につけると期待される到達スキル
  • 認定遺伝カウンセラー養成のための標準カリキュラム
  • DTC遺伝子検査 遺伝子ビジネスの今
    • 遺伝子「ビジネス」
    • Direct to Consumer genetic testing
    • 臨床の場での遺伝学的検査の留意点
    • DTC遺伝子検査の課題
    • 遺伝子ビジネスのこれから

うーん。。。と言わざるを得ない内容。確かに、遺伝カウンセラーの内容は網羅されているけれど、そして、DTC遺伝検査ビジネスに関する言及は、「そうなんだけどねぇ。。。」と言わざるを得ない内容です。授業を受けていないので、実際どのように表現されたかはわかりませんが、表面的な内容だけれども、その裏には、ものすごい議論すべき要素が込められているので、レジュメだけではなんとも判断できぬ内容。

最近、生殖医療や再生医療などのの仕事に関わっているからなのか、こういった議論は現場の人たちは避けてまわる傾向があるのですが(倫理委員会を通ればOK.どうやってトラブルなく倫理委員会を通すかのノウハウが大事になっています)、こうやって面と向かって「考えなされ」と言われているような授業を取ると、前回も使った表現ですが、ハンマーで頭を殴られているような気分になります。

アメリカにいる友人たちの間で話題となった、グーグルが出資している遺伝子診断会社のサービスについて、その是非を問いたくなりました。

過去の上智コミカレ「生殖医療・倫理・法」の記事

2012年5月21日 (月)

(Event) 金環日食

P52108701P52108731今回のように広範囲で起きるのは932年ぶりの金環日食。雲が多かったので、切れ間に期待と言われた天気予報でしたが、金環日食が始まった瞬間からは一時晴れ、その後、雲がかかったりもしましたが、キレイな金環日食をみることができました。

特殊フィルターがないと撮影は無理と言われていましたが、人間用の金環日食用のニュートンについていたフィルターを使って撮影。雲が多くなったらそのまま撮影できました。

土曜日に見に行った「義経」に続き、約830年前の源平の水島合戦では、日食を知っていた平家が勝利したと習ったことを思い出しながら、その頃から日食を予測する知識があったんだなぁと、空に現れたリングをみながら、なんだか歴史を感じてしまいました。

次の日本での金環日食は、2030年6月1日。北海道で見られるそう。2035年9月2日は関東でも皆既日食が見られるそうなので、それまで元気にがんばろう!

2012年5月19日 (土)

(Theater) 朗読活劇 義経

Photo池上本門寺の特設野外会場で上演された別所哲也さんの「朗読活劇 義経」(原作は司馬遼太郎)をみてきました。

4月14日にSankei Expressに掲載された別所哲也さんのインタビューを読んでいたので、舞台をとても楽しみにしていました。

「世の中の善悪や人間の正義、不正義に葛藤し、不条理を抱えながらも克服するため立ち向かっていく人物。時代性と普遍性の両方を持っていて、日本人の心の奥底にあるDNAを共有できるのではないでしょうか」と期待する。特に、「強くなければ優しくない、優しくなければ強い資格がない、という義経に凝縮された人間性」には強い共感を覚える。

Photo_2Photo_3 オープニングは山主の日慈様のお言葉から。オウム真理教の事件の時を境に、池上本門寺も大きく変わったというお話しが印象的。「お寺は風景にすぎなかった」という若者の言葉から、開かれたお寺を作る活動を始められたそう。今回の義経も、境内をこんな風に使っていいの?と思うほどの舞台でしたが、巫女舞を始め、お釈迦様への畏敬の念が伝わる素晴らしい舞台で、こうした新しい形で、お寺のあり方を作り出していく山主様は素晴らしいと思いました。

舞台は、夕方から夜にかけて、野外であったため、かなり寒く、コートを持っていったのが正解。

寒かったけれども、別所哲也さんの演技は素晴らしく、義経の悲哀に満ちた人生をテンポよく描いてくださり、吸い込まれるようにみてしまいました。舞台を降り、客席を駆け回るなど、朗読を超えた活劇になっておりました。彼にとっては初めての試みだったそうですが、(途中滑舌甘く、噛んでいたところもありますが(笑))、素晴らしい舞台だったと思います。

また、瑞穂舞の浅野瑞穂さんの舞が素晴らしく、義経の母常盤御前役から始まり、北条政子、静御前などをおひとりで舞で演じ分け、神々しいまでの舞でした。

とてもいい舞台で、また機会があれば、このような舞台を見てみたいと思います。

ところで... 義経を知らない若い人が多かったのに驚きました。周囲に座っていた方々が、源平の戦いすら知らず、そして、義経が誰だかも知らず、学校では何をおしえてるんだ!?と、本当に驚きました。別所哲也さんという著名な方が演じられるのでいらっしゃっていたようですが、こういう舞台を見て、歴史に興味を持ってもらえるようになるといいなぁと、思いました。こう思うこと自体、私がおばさん化している証拠!?

2012年5月18日 (金)

(Movie) ソーシャル・ネットワーク

Photo_4本日上場したフェイスブックの創設から巨大サイトへと急成長を遂げた時期までを描いた「ソーシャル・ネットワーク」を見ました。

実は、映画がリリースされてすぐに見ていたのですが、当時、SNSの功罪という出来事があり、レビューを書かずにおりました。中学・高校時代に仲良くしていた友人が、フェイスブックを通じて、どうしても会いたいと当時仲良くしていた5人に連絡があったのに、その連絡を「ご機嫌伺いのメールかな?」程度にしか考えておらず、誰も実際に会う行為を しませんでした。その数か月後、彼女が癌で亡くなったことを知りました。彼女のフェイスブックページはまだあります。ご家族がメモリアルにと残しています。連絡があった前後も毎日のように投稿があり、元気にしているものと思い込んでいたのですが、病気だったことすら知らなかったのです。SNSで見るだれかの姿は「その人の切り取られた一面だけで、全部ではない。真実など、会わなければわからない」と痛感した出来事でした。以来、私のSNSの使い方がすごく変わったと思います。ゆえに、当時この映画を見てもレビューが書けなかったのですが、上場という節目を迎え、改めて、見てみようかなと思い立ち、映画をチェック。

ストーリー(映画.comより)
世界最大のソーシャル ネットワーキングサイト「Facebook」創設者マーク・ザッカーバーグの半生を、鬼才デビッド・フィンチャーが映画化。2003年、ハーバード大学に 通う19歳のマークは、親友のエドゥアルドとともに学内の友人を増やすためのネットワーキング・サービスを開発する。そのサービスは瞬く間に他校でも評判 となり、ファイル共有サイト「ナップスター」創設者のショーン・パーカーとの出会いを経て、社会現象を巻き起こすほどの巨大サイトへと急成長を遂げる が……。主演は「イカとクジラ」のジェシー・アイゼンバーグ。共演にジャスティン・ティンバーレイク、新スパイダーマンに抜擢されたアンドリュー・ガー フィルドら。

元カノに対する交錯した想いや、お友達を増やしたくて始めたことなのに、成功して華やかになっていくほど、大切な友人を無くしていく、自分次第ではあるのですが、その自分を見失いがちになるのだと、警告を出しているのかもしれません。

2011年1月の公開にあたり、どなたかが、「事実とはモチーフにすぎず、監督の解釈」と語っていたと思うのですが、どこまで真実なのかわからないように作られている作品ではあるようですが、短期間でここまで注目されるようになったサービスが、上場を経て、どうなっていくのか、これからも見守っていきたいと思います。

2012年5月16日 (水)

(Study) 上智のコミカレ「生殖医療・倫理・法」 第五回

第五回は「生命倫理」という言葉を日本で使い始めた青木清先生の「遺伝子と遺伝学」です。

授業のスタートが、Natureの1953年4月25日号の"The determination of the structure of DNA"です。たった2ページの論文がノーベル賞を受賞!?と、衝撃的な論文で授業をスタートするとは…  すごすぎです。

遺伝子操作と倫理的問題に言及した本授業は、遺伝子操作について、あまりにも無知であった私の脳天をハンマーで殴ったような衝撃でした。

もともとは生まれ持った遺伝病を治療するための技術として遺伝子操作技術は開発されていきましたが、それが食物に与えた影響など(モンサントの件含む)、青木先生のお話しは衝撃的でした。モンサントの件についてはアメリカ育ちの私は当然知っていましたが、その技術の危険性について1973年に国際会議が開かれていたことは知らず。

学術会議 vs 学術審議会の構図など、その世を生きたお方だからこそ言及できること。

医学の治療レベルと歴史など、本当に幅広い領域について、遺伝子と遺伝学というテーマでお話しできるのは、青木先生しかいないなぁと、講師の先生のアサイメントの良さに、はたまた感激。

さらに、稲の遺伝子組み換えと改良のお話しには、心打たれました。

今回配布された資料は、非常にいいものなので、MUST KEEP!!!!!だと思いました。

2012年5月10日 (木)

(Movie)道~白磁の人~

Michi東京独女スタイル様のご招待で「道~白磁の人~」を観てきました。

ストーリー(eiga.comより)
日本統治時代の朝鮮半島で植林事業に勤しみ、民族間で争いあうなかでも信念を貫いて生きた実在の青年・浅川巧の半生を描いたドラマ。監督は「光の道」「火火」の高橋伴明。主演は浅川役に吉沢悠、浅川と親交を深めた李青林に韓国人俳優のペ・スビン。

2年ほど前に山梨出張の際に読んだ原作「白磁の人」が映画化されたので、とても楽しみにしていました。原作では朝鮮の山の4割を復元した等、どのくらい浅川巧が貢献したのかが描かれていたのですが、映画では、どちらかというと、民族間の対立の中での友情をメインに描かれていたので、ちょっと残念。

原作を読んだ当時のブログにも以下のように書いていました。

当時の朝鮮は、日本が持ち込んだ地籍法によって、多くの土地が没収されて、日本からの移民へ次々と払い下げられ、土地に愛着がない新しいオーナーたちは、木を伐採したあと、売り払ってしまったため、禿山となってしまっただけでなく、保水力を失って洪水を起こしてしまう、人間が災いを起こしている状態でした。この状態を危惧し、「朝鮮松の露天埋蔵発芽促進法」を制定し、朝鮮の山の4割を復元したというのだから、月並みな言葉だけれど、すごいとしか表現しようがない。心の底から湧き上がる信念と執念に基づく行動が、大きく世界を変えるのだと改めて思い知らされました。

民族間の対立の中で育まれる友情に対する「心の底から湧き上がる信念と執念に基づく行動」は非常によく描かれていたことと、家族の湧き上がる暖かさが非常にうまく映画化されていたこと、なぜこのタイミングでこの映画がリリースされるのか憶測してしまうほどのタイミングだなぁというのが、見終わった直後の感想です。

(総合評価:★★★☆☆ 民族対立は100年経ってもなくならないのだと、とても悲しくなりました)

2012年5月 9日 (水)

(Study) 上智のコミカレ「生殖医療・倫理・法」 第四回

第四回は埼玉医科大の石原先生の講義「出生前診断と着床前診断」でした。

石原先生は、昔一緒にお仕事をさせていただいた方で、当時から、国際色豊かな先生の博識ぶりに傾倒していたのですが、こうして講義を聞かせていただく機会は2回目で、石原先生の熱のこもった資料に圧倒されました。

授業の内容は以下の通り。

  • 出生前診断とは(しゅっせいぜんしんだん、と、読みます。「まえ」と読む方も多いそうですが、業界では「ぜん」と読みます)
  • 出生前診断と背景にある要因
  • 日本産科婦人科学会の見解(3回の改訂を経て現状に)
  • 出生前に行われる検査および診断に関する見解
  • 確定診断を目的とする検査
    • 絨毛検査:現在はほとんど行われていない
    • 羊水診断
    • 胎児採血
    • 母体血中胎児細胞またはDNAやmRNAの検査
    • 非確定的検査(スクリーニング検査)
    • 超音波画像診断の例
    • 母体血清マーカー
      クアトロテストまたはトリプルマーカーテストなど
    • 染色体異常の症例
    • 正常であった症例
    • 着床前診断
    • PGDとPGS、様々な方法
    • 日産婦の着床前診断に関する見解(2010年6亜gsつ)
  • 出生前診断の背景
  • 出生前診断について親・家族の意見
  • 出生前診断について医療関係者からの意見
  • まとめと私見

このような流れで、多くの時間を確定診断を目的とする検査についての説明に使われていました。

興味深い点としては、まとめと私見のところで、「診断とスクリーニングは技術的に変わらなくなるならば、それはどう法的に考えていけばよいのか?」というご質問を町野先生に投げかけられていた点です。きちんと答えのでていない領域だからこそ、議論されるべきなのでしょう。

2012年5月 6日 (日)

(Movie) テルマエ・ロマエ

Photo映画「テルマエ・ロマエ」をみてきました。

ストーリー(goo映画より)
「マンガ大賞2010」「第14回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞したヤマザキマリの同名コミックを阿部寛主演で実写映画化。古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化を学んでいく姿を描くコメディドラマ。生真面目な性格で古き良きローマの風呂文化を重んじる浴場設計師のルシウスは、ふとしたきっかけで現代日本にタイムスリップ。そこで出会った漫画家志望の女性・山崎真実ら「平たい顔族(=日本人)」の洗練された風呂文化に衝撃を受ける。古代ローマに戻りそのアイデアを用いた斬新な浴場作りで話題となったルシウスは、時の皇帝ハドリアヌスからも絶大な信頼を寄せられるようになるのだが……。映画オリジナルのヒロイン・真実を上戸彩が演じる。監督は「のだめカンタービレ」の武内英樹。

漫画には出てこないヒロイン上戸彩ちゃんの役もありましたが、漫画にかなり忠実で(ラーメンとか餃子はなかったけど!)いやー面白かったです。

阿部さんはじめ、ローマ人役の日本人役が違和感なかったのが、ある意味恐ろしいです。縄文系日本人はここまで彫が深いの!?と、そういう意味での衝撃がありました。

ラテン語の発音が若干気になったのは致し方ないとして、これだけ漫画を楽しく映画化できるって、すごい!!!

ローマと日本の「温泉」文化は本当に似ているのであろうか?原作を読んだときにも感じた違和感がここでも湧き上がりました。少なくとも今のイタリアでは、そこまで温泉は重宝されておらず。

(総合評価:★★★★★ めちゃくちゃ面白い!!)

2012年5月 3日 (木)

(Study) 上智のコミカレ「生殖医療・倫理・法」 第三回

第三回は町野先生の「ヒト胚研究の現状」でした。

本日の内容は以下の通り。

  • ヒト胚研究の倫理性
  • 禁止か許容か
  • 日本の対応
  • ”一本の細い道”なのか?

まず、体外受精が可能にしたことは何か?という点でのレクチャーでした。このあたりは、生殖医療を仕事にしていたので、医学的にはよくわかっていたのですが(厚労省より)、法務省としてどう見ていたのか!?ということがよくわかっていなかったので、厚労省と法務省の両方から見た観点での「体外受精が可能にしたことは何か!?」というのは、非常に勉強になりました。省が違うと見方が全然違うんだ。。。と、当たり前なことではあるのですが、ちょっと驚き。

今年の春まで、再生医療の仕事をしていたので、こちらも、医学的にはいろいろとわかっている件なのですが、そのあとは、体外受精技術が可能としたヒト胚研究についての言及がいろいろとあり、こちらは、倫理的問題についての議論が、医学側にいた人間としては、「そういう見方されてるんだ!」と新しい発見。

特に、生殖補助医療との違いに関しては、同じに見てはいけないという町野先生のご意見には、今まで同じように考えていた私としては(そして多くの生殖医療と再生医療の両方にかかわっている人間は同じように考えているに違いない)、納得の議論の展開でした。

ヒト胚の倫理性で、まさか、カントの「目的自体(zweck an sich)の定理」が出てくるとは思わず。日本ではほとんどされていない議論のため、私自身ほとんど理解していなかったのですが、欧米では当たり前の議論だそう。カントの提言命令はヒト胚研究にどのような意味を持つか?という問いかけで、どっきりしました。

その後、ヨハネ・パウロII世(私にとってのパパ様)のカトリックの反対意見である「受精のときから新たな生命が始まる。それは父のものでもなく、母のものでもなく、独自に成長する新しい人間である」は、カトリックとして教育を受けてきた私には新いものではなく、しかし、改めてここでだされると、「宗教が支える人間の価値観」を考えざるを得なくなりました。

禁止か許容かでは、ドイツ、イギリス、フランスなどの西欧諸国の法律と照らし合わせている点が、私にとっては新しい。生殖の仕事をしていたときには、2002年のデータが最新だったけれども、こうして出されると、根本的課題を考えてみることになる。

そして、それに対する日本の対応として…他の問題でもそうなんですが、あまりにも「あいまいな日本」を繰り広げていくところに違和感あり。町野先生がつけていた「外国人にはもちろん、日本の通常人にも理解できない、日本の生命倫理規制の方法」というサブタイトルからも分かるように「あいまい」すぎて「どうとでもとらえられ」すぎて、気持ち悪い。

ぁ、先生はきっとこういうところをあげたかったんだなぁとは分かるのですが、割り切れない分、気持ち悪さ感が残り、そして、それが「考えろ!」というメッセージなのは、理解できるのですが、理解できるのと、それを咀嚼できるのでは違います。

この後は、クローン技術規制法・特定胚指針について議論していくことになるのですが、気持ち悪いが残ったまま、進んでいったので、(そして仕事がらみですでに知っていることばかりだったので)、さらっと通り過ぎた感あり。

最後に、生殖補助医療指針について、各国の違いあり。それが、”一本の細い道”につながっていくのですが、脳死がヒトの死か?と同じ議論の展開がここでも繰り広げられる可能性を理解し、割り切れない感いっぱいで授業は終わりました。

生命倫理って深い...深いだけでなく、考えても答えのでないことを議論しているのだと、あらためて思いました。

(Movie) 愛の勝利を ムッソリーニを愛した女

Photo_5「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」を見ました。ムッソリーニの最初の妻、イーダとの恋愛と、イーダとその子供、アルビーノ・ムッソリーニの人生を描いた作品で、ムッソリーニが政権獲得後に隠ぺいしたため、なかなか表に出てこなかった人々。

あらすじ(goo映画より)
イタリアに独裁政権を築き、ヒトラーと並び称され歴史に名を残したベニート・ムッソリーニ。ファシズムという言葉を生んだイタリアの独裁者として、本国では“統師(ドゥーチェ)”という愛称で今なお愛され続ける彼の陰には、イーダという、全人生を彼にささげた一人の女性の存在があった。若きムッソリーニと恋に落ちたイーダは、全財産を投げ打ってまで彼の理想を実現させるために身も心もすべてを彼に捧げる。やがてイーダは彼の息子を産むが、ムッソリーニはすでに家庭を持っていたことを知る。自分が彼の妻であり、息子がムッソリーニの長男であることをイーダは認めさせようとするが、ムッソリーニの支持率が急上昇する中、彼女は危険人物として排除されていく……。最愛の人から裏切られながらも人生を賭けて、信念を貫きとおすイーダの波乱に満ちた人生……歴史の闇に葬られた、愛の物語がいま明らかになる!!

作品の冒頭の政治集会で「「神に5分間あたえる、5分後わたしが生きていれば、神は存在しない」を言ってぼこぼこにされたムッソリーニを愛してしまったイーダの話は、多分映画化にあたり、美化したか、フィクションだった可能性があるなぁと思いながら見てしまいました。あぁ、年を重ねると、疑い深くなるなぁと思う自分にちょっぴり辟易。

全財産をなげうってムッソリーニをサポートし、彼の子供を産み、彼が政争で社会主義団体を追われれば、援助してファシスト党を作り、そこまでサポートしたのにもかかわらず、ムッソリーニが最高権力者になり、他の女性と結婚し子どもが生まれると、彼女と子供が邪魔になり、精神病院に監禁してしまう。ここに情も義もないんだろうなぁ。

精神病院に幽閉されようが、何度も脱出を試みて、ムッソリーニの妻でありつづけようとするイーダが、すごい。これを演じたジョヴァンナ・メッツォジョルノの演技も、ナタリー・ポートマンがブラック・スワンを演じた時のように、鬼気迫る演技。女ってすごいなぁ!男って腑抜け!?と、思わず思ってしまう描かれ方。

病院でその人生を終えたイーダ。そして、息子も20代で精神病院で病死したらしい。悲劇ではあるが、こういう運命に生まれついてしまったとすれば、それを幸せに生きる方法はなかったのだろうか?と自問してしまう。

(総合評価: ★★★★☆ いつの時代にも悲劇はある。強い生命力のある女性の生き方に惹かれます)

2012年5月 1日 (火)

(Movie) Black Swan

220pxblack_swan_posterGWは、映画三昧。

今更ではありますが、見逃していたナタリー・ポートマン主演の「ブラック・スワン」を見ました。

ストーリー(映画.comより)
ナタリー・ポートマン、 ミラ・クニス共演の心理スリラー。ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込 むように生きていた。そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。 役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。主演のポートマ ンが第83回米アカデミー賞で主演女優賞を獲得した。

とにかく、怖い。とっても怖い。ホラーではないのですが、狂気の中でつかむ何かと、自滅へ向かって突き進んでいく、現実と幻覚の世界を観客も漂っているような気になってしまうほど、怖い、怖い映画でした。親子って本当に難しいなぁと、改めて思う。母は娘の幸せと自分の欲望を満たすところで、危うげに生きているし、娘は母の願いと自分の幸せを満たす何かを探しながら、反発し、時に受け入れ、ぎりぎりで生きている。

ナタリー・ポートマンがアカデミー賞で主演女優賞を獲得しただけあって、レオンの頃の彼女ではない、大人の女優へときちっと成長したことを物語っている作品でした。

(総合評価: ★★★★☆ すごい映画ですが、怖い!)

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