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2011年5月 8日 (日)

【本】鋼鉄の叫び

Photo_33.11からしらばく本を読んでも、映画を見ても集中できない時期がありました。それでも、普段通りに過ごすことが何よりも大切と精神科医の友人から言われ、普段通りにできない出来事もいろいろとありましたが、なるべく普段通り、仕事をして、映画を見て、本を読んで、歌を歌って、ということをしてきたつもりです。まだまだ元のスピードに戻るまでには時間がかかると思うのですが... ここ2ヶ月で読んだ中で一番良かった本「鋼鉄の叫び」のレビューです。

意外ですが、リングやらせんを書いた鈴木 光司氏の作品です。

内容(「BOOK」データベースより)
50年の時を隔てた戦時下と現代の日本で、時代と集団の空気に逆らい、それぞれ立ち上がった二人の男たちは、どう生き延びるのか?家庭、軍隊、職場にあって、死、幸福、不安のあいだで大いに揺れる人間を描く長編大作。

「集団と個の力学」を描いた作品です。原発問題以降読んだからでしょうか。原発で働く人たちの中でも、「集団と個の力学」で悩む人たちがいることも知ったから、余計にいろいろと考えてしまったのか。この本を読んだ後、しばらくは何も読めなくなるほど、衝撃を受けました。

2つのストーリーが織物のように縦糸と横糸になり、絡み合いながら「集団から離脱した人は何をよりどころに生きるか」を問います。テレビ局のディレクター雪島忠信が特攻隊に関する企画の中で、太平洋戦争末期の特攻隊員で自らの意志で生還してしまった人間、峰岸泰三中尉を追う形で進みます。

「集団から離脱した人は何をよりどころに生きるか」について、不倫関係にあった雪島の「愛」という答えはちょっとなんだかなぁと思うのですが、峰岸中尉の「未来を作る」ためというのは納得できた。終わってしまった過去は変えられず、未来を作るための教育に身を捧げる。いろいろな偶然が重なり、戦線離脱した中尉だが、そういう生き方に本人が納得し(後付け論でも)、そして新しく所属できた場所があったからこそ出せた答えなんではないかとも思いながらも、村八覚悟で生きることを選択しそれを貫くにあたり、ここに書かれていること以上に辛いことも悩むこともあったと思うのです。(フィクションですが、こういうことも現実にはあると思います)

3.11以降、どういう選択が正しいのか、自分のおかれている立場や状況で変わると痛感しながらも、結局正しい答えなんて無いのだと思うことも多々あるのですが、自ら考えその結果行動を起こしたいと、そして自分の生き方に後悔しないようにしたいと強く思いました。

500ページを超える大作ですが、2011に読んでおきたい1冊だと思います。

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