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2009年10月20日 (火)

私の中のあなた(My Sister's keeper)

Photoキャメロンが初の汚れ役と話題になっている「私の中のあなた(My Sister's keeper)」を観ました。

内容(goo映画より)
11歳の少女アナは、白血病の姉に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によってこの世に生まれた。母サラは愛する家族のためなら当然と信じ、アナはこれまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきた。そんなある日、「もうケイトのために手術を受けるのは嫌。私の体は、自分で守りたい」と、アナは突然、両親を相手に訴訟を起こす。しかし、その決断にはある隠された理由があった…。

雑誌のレビューなどでは、初の汚れ役!とキャメロン・ディアスが注目されたり、アナ役のアビゲイル・ブレスリンについての紹介が多いけれど、ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァの丸坊主での体当たりな演技に圧巻されました。そして、派手な役でもなく、台詞も多くはないけれど、交通事故で娘を失った判事役のジョーン・キューザックの存在感がとても大きく、素晴らしい俳優達が、この映画を支えていると思いました。

死の迎え方。"Let it go"とはよくアメリカに住んでいた時に言われた言葉ですが、どのタイミングで"Let it go"するのかは、本当に難しく、母親役を演じたキャメロン・ディアスはとてもよく演じていたと思います。

しかし、冷静に考えると、長女を救いたいから、遺伝子操作で次女を作り、次女の体に何度もメスを入れ、姉を助けるために...と言い聞かせ、何度も何度も辛いことをさせる。次女だって娘だろうに、可愛くないのか? 長男放置でいいのか? 確実に家庭崩壊に繋がって行くって、誰でも分かることだと思うのですが。なぜ、ケイト本人が「これ以上無理に生き続ける必要はない」と思い、妹が訴訟を起こすまで行ってしまうのだろうか? 父親が、あるいは、親戚の誰かが、あるいは、医師や看護婦が、なぜ母親を説得しなかったのか?

...と、リアルライフで考えると、「ホントにそんなこと起こるのか?」と思ってしまう内容ではあります。

が、しかし、そういう細かいところは、無視できてしまう程、ケイト役のソフィアは本当によく演じていて、そして、何よりも、「倫理的にどこまで人間は科学の力を使い、生きながらえるべきなのか? 死をどうやって迎えるべきか?」について、考えさせられる映画でした。

悲しい映画なのだけれど、思い出として様々なエピソードが紡ぎだされて行く中で、ケイトがタイラーと出逢い、恋をしたところは、本当に本当に良かったです。ことの顛末は悲しいものだったけれど、病気で普通の子のように生きて行くのは難しいかもしれないけれど、素敵なこともあるのだと、そう思いました。

いろいろと思うことはたくさんある映画で、そういう意味では、社会派映画としての役割はきっちり果たせている、すごくいい映画です。

さらに、欲を言うなれば、できれば原題の意味をもう少し汲んだ日本語タイトルにして欲しかったなぁ...と思います。原題の"My Sister's keeper"は、聖書のケインとアベルの物語から引用されているもので、弟アベルを嫉妬したケインが弟を殺してしまったときに、主から弟はどこに居るのかを問われ"Am I my bother's keeper?"と応えたところから来ています。原作「わたしのなかのあなた」では、アナが交通事故で死亡し、アナの臓器がケイトに移植され、ケイトは生き続けます。また、アベルとアナ、ケインとケイト、と、名前も工夫されているわけなので、そのあたりの意味が分かるようにすると、きっともっと深い意味が込められている作品なんだなぁ...と、思ってもらえるだろうなぁ...と思いました。

まだまだしばらくこの映画を反芻しながら、あれこれ考えることでしょう。


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コメント

私は原作を知らずに鑑賞して、キャメロンディアスの母親に恐ろしさすら感じました。
でも後で原作の結末を知って、もしこの映画がその通りに描かれていたのなら、もっと深い意味合いを持つ終わりだったかも、と思いました。
家族の愛を描いたという点では良い作品だし、死の受け入れ方を考えるきっかけにもなったけど、だとしたら、アナが
遺伝子操作で産まれる必要も何度もメスを入れる必要もなかったのです。この辺りは凄く見ていて辛かった。

と、ある意味では余韻が残る作品でしたね。

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