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2008年7月16日 (水)

西の魔女が死んだ

Photo話題映画の原作、梨木 香歩さんの「西の魔女が死んだ」を読みました。
#西の魔女ではなく、「秋山ゆかりが死んだ」になってもおかしくないほどの40度近い高熱に見舞われ、さすがの私も、数日ほど、抜けられない仕事は這いずるようにして出かけ、それ以外はベッドから出ず。生き返ったので、やっぱり魔女だったのかと納得されるかもしれませんが(笑)

内容(「BOOK」データベースより)
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

本の帯に「最後の3ページ、涙があふれて止まりません」とありましたが、本当でした。

最後の3ページというより、全編に溢れる祖母の愛と、そして、生きる知恵に心が揺り動かされました。タイトルにある「魔女」の持つイメージとはほど遠いけれど、やはり、この人は魔女なのだと、そして、魔女であることは生きて行くために必要な知恵なのだと思いました。

まっすぐに生きて行くのは辛い。しかし、まっすぐに生きて行ってもいいのだと、そして、自分なりのまっすぐな生き方には、何をすべきか、何をしないべきか、それは自分で決めることなのだと、そこに幸せが待っているのだと、それを伝えてくれる物語でした。

特に、「死」に対する考え方と、そして、「自分らしく生きること」についての考え方、その説明の仕方は、是非、子供に伝えたい。そう思う小説です。

次の2つのおばあちゃんの知恵は、書き留めておこう。普段は、本は読みっぱなし(読みたい本は何度でも読み直すため。それ以外は頭の中に肝だけ入れて終わる)だけれども、この2つは書き留めておきました。

P.116より
「おばあちゃんは、人には魂っていうものがあると思っています。人は身体と魂が合わさってできています。魂がどこからやって来たのか、おばあちゃんにもよく分かりません。いろいろな説がありますけど。ただ、身体は生まれてから死ぬまでのお付き合いですけれど、魂のほうはもっと長い旅を続けなければなりません。赤ちゃんとして生まれた新品の身体に宿る、ずっと以前から魂はあり、歳をとって使い古した身体から離れた後も、まだ魂は旅を続けなければなりません。死ぬ、ということはずっと身体に縛られていた魂が、身体から離れて自由になることだと、おばんちゃんは思っています。きっとどんなにか楽になれてうれしいんじゃないかしら」
P.162より
「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」

なんと分かりやすく、そして、知の詰まった表現をするのだろう。

私も死ぬ瞬間にこう言いたい。

「アキヤマユカリ ノ タマシイ、ダッシュツ、 ダイセイコウ」と。

(総合評価:★★★★★ 永久保存版にします。子供の夏休みの課題図書におススメします。)


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秋山ゆかりさんという方のブログで紹介されていた小説を読んでみました。 西の魔女が死んだ (新潮文庫)(2001/07)梨木 香歩 [続きを読む]

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