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2008年2月20日 (水)

火の記憶

Photo エドゥアルド ガレアーノ の「火の記憶」を読む。

「わたしは歴史家ではない。だがものを書く人間として、アメリカ全土の、とりわけ、蔑まれた最愛の地ラテンアメリカの、かどわかされた記憶を救い出すために、力を尽くしたいと願う。」ウルグアイの作家ガレアーノの主著『火の記憶』三部作の第一巻はこう始まる。コロンブス以前のアメリカがインディオの創世神話によって語られ、第二部章「旧き新世界」では、年次と地名が付された断章で一七〇〇年までの歴史の襞がひもとかれる。

数かぎりない掠奪と虐殺と富の移動と権力闘争、しかしそのどれもが「揺るぎのない文書に裏打ちされている。ここに語るかぎりのことは実際に起きたのだ。わたしはわたしなりに、それを伝えるまでである。」

いくつもの声から紡ぎ出されたこの作品は、小説、随想、叙事詩、証言、年代記のどれでもあって、どれでもない。ジャンルをこえて文学の圧倒的な力を感じさせる本作が、世界史のもうひとつの読み込みを可能にする。

「火の記憶」は三部作の第一弾ということで、この後に、「素顔と仮面」「風の世紀」が続く。三部作は全部読まないと気が済まないので、手を出したくなかったのですが、ラテンアメリカ月間のため、東京堂書店でラテンアメリカ関連の本を物色中に、ぱらぱらとめくっていたところ、どうしても買いたい衝動が押さえられずに購入してしまいました。

この本は、73年の軍事クーデターの際にアルゼンチンに亡命した彼が、76年のビデラ政権のクーデターで、スペインに亡命し、書かれたものだそう。このクーデター、亡命という体験がこういう小説を書かせたのだろうか? と思う内容。

歴史書というよりは、小説、小説というよりは、どちらかというとギリシャ的な叙事詩を思わせるような書き方。

侵略する白人にも、そして、原住民であるインディオにも、どちらの心の中にも闇があり、闇と同時に情熱も愛情もあり、その相反する2つが織りなす生き様は、ともすれば、笑いを呼び起こしそうなほど滑稽で、そんな物語を読まさせられると、ラテンアメリカの歴史をよく知らない自分が恥ずかしくなってきます。

深い。本当に、深い。が、重い本であるのは間違いないです。

ラテンアメリカの作家って、重いトピックを扱うのでしょうか?(サンプル数10くらいですが)

追記:Amazonを調べたところ、なーんとっ!!!! 第二部、第三部の翻訳が出ていませんでした。翻訳じゃないとちょっと手が出せないです... 続きが読みたい... みすず書房さん、なんとかできないでしょうか!?


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