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2005年8月

2005年8月31日 (水)

真珠の耳飾の少女

Pearl_thumbオランダの画家、フェルメールの絵画、「青いターバンの少女」を題材にした映画、「真珠の耳飾の少女」。

シノプスはこちらで。

好きか嫌いかといわれると、答えに詰まる映画ですが、映像がものすごくきれい。屋根裏にさす光のやわらかさ、絵の具の色、など、光と影、そして、色をものすごくうまく使った作品で、フェルメールの絵の世界に連れて行ってくれるようでした。

ストーリーは淡々としていて、ストーリー自体がすごくいいとは思いませんでしたので、好きか嫌いかと聞かれると困ります。ストーリーとして説明不足な点もあり、あれってどうなってるんだろう??と思わせるのですが、全体的にダークなトーンのオランダの冬を思わせるシーンに時折使われる美しい色たちに、映像の世界に引き込まれていきました。髪の毛のはらっと落ちる美しさなども非常にうまく映像として取り入れられていて、きれいをたくさん思わせる映画です。

スカーレット・ヨハンソンの演技がとてもいいです。ちょっとした表情で、使用人として、そして、女としての感情をとてもよく表現していました。アイランドよりもずっとよかったと思いました。

(総合評価: ★★★☆☆)

2005年8月28日 (日)

スペイン国立バレエ団

Spain_thumbスペイン国立バレエ団は、世界のバレエ団の中でも大好きなバレエ団で、ここ数年、来日公演のたびに観に行っています。

今年は、「アイレス・デ・ビジャ・イ・コルテ」と「ラ・レジェンダ」の2本立てでした。演目がバレエ団及びスペイン文化省の強い要請により変更されたことが新聞にも載るなどしたので、出来がどうなのか気になっていましたが、非常にいい作品で、楽しめました。

昨年観た「アンダルシアの嵐」よりももっとフラメンコ色が強くなっている2つの作品で、特に、「ラ・レジェンダ」は、カルメン・アマジャのオマージュとして作られた作品で、彼女のイメージを表現しているので、フラメンコ一色。サパティアードがまだ頭の中に響いています。

パンフレットにあるような純白のものすごくすその長いドレスを自在に操り踊る姿は本当にきれいでした。

2005年8月22日 (月)

亡国のイージス

仕事で関係していたので、チケットをいただいたこともあり、今年の夏の日本映画では一押しの作品と言われている「亡国のイージス」を観てきました。
#チケットをいただけたのは、私が佐藤浩市の熱烈なファンという理由もありますが…

12億円という日本映画ではかなりお金をかけた作品(ハリウッドとは比べ物になりませんが)なので、リアリティは、邦画にしてはかなりの出来だと思いました。一部、CGがちゃちだなと思わせるところもありましたが、非常に出来がよかったと思います。

しかし、ストーリー的には、終戦60年を迎えた日本に対してのメッセージを考えるともう少し工夫の余地があったのではないかと思わざるを得ません。

ウェブサイトに書かれた以下のイントロダクションにかなり期待をしていたのですが、事件後、社会はどう変わったのか、そこに隠されたメッセージのかけらでもいいので、描写して欲しかったです。そこを考えて欲しい(「考える前に考えるんだ!」が言いたいのかもしれませんけど)のかもしれませんが、自力で考える力が弱くなってしまった現在の若者達に考えさせるには、「かけら」だけでも見せる意味ってあるんじゃないかと思いました。


20世紀末に出された問いかけに、今、我々はどんな結論を出すのか?


今、この国の未来に不安を抱かぬ者は一人としていないだろう。未曾有の経済的発展を享受しながら、理想も持たず、国家としての責任能力も自覚せぬまま世界進出を遂げた日本。バブル崩壊が経済を袋小路へと迷い込ませたとき、そこに我々が誇るべきものは何ひとつとして残らなかった。そして、2001年9月11日以降、空虚な理想論など決して許されぬ現実を突きつけられ、我々が見つめることになった未来とはどんなものなのか?あるべき国家の理想とはどんなものだったのか?1999年、いち早くその問題を突きつけた小説があった・・・その名を「亡国のイージス」。

(総合評価: ★★★☆☆)

2005年8月19日 (金)

ギュスターヴ・モロー展

Syutugen_thumb 本当は今日、お休みするはずだったんですが、仕事の都合で休みが取れず。気分転換のため、早めにオフィスを出て、ギュスターヴ・モロー展へ行って来ました。

サロメの「出現」で有名なモローですが、水彩画と油絵の2枚を書いており、並べてみると違いが分かるそう。サロメが踊っているときに見た幻影だそうですが、かなり怖い絵です。線描の装飾文様が幻想的に見せています。この緻密なモローの世界は、気が遠くなりました。

個人的には、完成している絵よりも、未完成の絵が、モロー自身を表現していたのではないかと想像を掻き立てるので、好きです。「ユピテルとセレメ」は、すごいと思います。あれだけ描き込んでいるのですから。そこには、緊張感と狂気を感じます。だから、途中で描くことを止めてしまった「キマイラたち」や彼の習作は、その緊張と狂気を解き放ってくれて、ほっとさせてくれます。まだ、モローの魂がその辺を彷徨っていて、絵を仕上げるんじゃないかと思わせるその感じがとても好きです。

微妙な緊張感とリラックス感が交じり合う不思議な空間でした。

2005年8月14日 (日)

Before Sunrise & Before Sunset

Beforesunrise_2_thumb今週末はお篭りしていて、珍しくほとんど外出せずに自宅にいました。

本当は、「マザー・テレサ」を見るつもりで、シャンテシネまで出かけたのですが、満席でチケットが売り切れていました。マザー・テレサをみる気分だったので、見られないことがショックで、他の映画を見に行く気も、銀座でショッピングする気もうせてしまい、そのまま自宅に戻り、標題の映画2本をDVDで見ました。

映画を簡単に紹介します。(簡単すぎて分からない場合は、シノプスを見てください)


  • Before Sunrise: (1995年公開)

    ウィーンの街に一晩の予定で立ち寄ったアメリカ人青年と、彼と列車で出会ったフランス人の女学生、14時間だけ一緒にウィーンで過ごすことにした二人のあいだに芽生える恋を描いた作品。95年ベルリン映画祭銀熊賞受賞。


  • Before Sunset: (2004年公開)

    前作Before Sunriseで一夜限りの恋に落ちた2人が9年ぶりにパリで再会。ほんの束の間訪れた2人だけの時間を過ごすさまを、リアルタイムで綴ってゆく作品。

    上映時間は81分。彼らが一緒に過ごせるたった85分の時間と上映時間をほぼ同じにしてあるところまで、気を遣って作った作品で、しかも、前作と同じく9年の歳月を経てリリースするこだわりよう。前作から9年間、脚本は監督、主人公のイーサンとジュリーが連絡を取り合い、暖めてきたそうです。

Before Sunriseでは、お互いの距離を埋めていこうと、二人がものすごいスピードで話しをしていくところ。若いからこそ、ひたむきさと、ナイーブさがとてもよく表現されていて、台詞がとてもいいです。

Before Sunsetは、9年という月日を経て、二人とも、ただ純粋なだけの若者ではなく、大人になってしまったことを会話の中でも表現されていて、前作と同じように、脚本のよさが出ています。お互い心の中に9年間存在していたのに、9年前の失った時間は埋めきれなくて、早口で会話を進めていくところが、前作の早口での会話の目的とは違っていて、とても切なくなります。

こんな恋愛もあるんだなと思う、切ない恋愛映画です。

Before Sunriseも終わりは、ウィーンの駅で別れるところ、Before Sunsetは、飛行機の時間を気にしながら彼女の部屋で会話をしながら終るところで、どちらもこの後どうなるの?と思わせる終わり方。その結末は、Before Sunsetの冒頭でジェシーが言うように、本人達にしか分からない、あるいは、見た人の想像にゆだねられている作品です。

私の希望としては、ジェシーはセリーヌの部屋を出て行かず、二人は結ばれることになるハッピーエンディングがいいですね。ジェシーには奥さんとの離婚という泥沼が待っていたとしても、長い人生、一番愛している人と一緒に、喧嘩もするけど、笑い声の絶えない家庭を作った方がいいと思うからです。息子の親権をどうするか?など、頭を悩ませる問題がたくさん出てきたとしても、やっぱり自分が一番幸せじゃないと、周りの人も幸せにならないと思います。

この2人の10年後はどうなっているのだろう?と早くも10年後の続編を期待してしまいます。

(総合評価:: ★★★★☆)

2005年8月 8日 (月)

Non Ti Muovere ~日本人とイタリア人の共通点 ~

Nonti_thumb今年1月に映画館で観たのですが、DVDになっているので、なぜかまたまた見てしまいました。タイトルは、Non Ti Muovere(行かないで)なのに、なぜか日本語訳は、「赤いアモーレ」。彼女の履いてた靴が赤だからかしら?

「激しく求め合った男女の悲しい記憶が綴る、生涯に一度の真実の愛の物語」とか「男性のための恋愛映画」と紹介されていましたが、何度見ても「これが真実の愛ではなくって、監督が描きたかった優柔不断な男の世界では?」と思ってしまいます。

さて、イタリア語の勉強と言い訳をしながら(言葉遣いが悪いのでイタリア語の勉強には向きません)2回目を見てしまったのは、蒸し暑い中、同じように蒸し暑い映画を見たら少しは涼しくなるかなと、家でだらだらしている言い訳だったのだと思います。

この映画を見て2回とも感じたのですが、


  •  日本人とイタリア人(特に男性)は似ている
  •  ペネロペの落ち役ははまりすぎ
  •  ペネロペのイタリア語がとてもうまい
  •  音楽がすごくいい

日本人男性とイタリア人男性は本当に良く似ていると思います。
特に、この映画で描かれている優柔不断さ。地位目当てで結婚した妻と行きずりの浮気相手の間でゆれてゆれて、選びきれないところ。妻の間に子供が生まれて、それでも彼女と逃げるところ。彼女が死んでしまって10数年ひきずり続けるところ。でも、娘が事故から助かったら、彼女をふっきってしまうところ。ホントに、煮えきらず...

監督が主演だから、自分が描きたかったものを描いたのでしょうが、これが、真実の愛の物語かどうかは、かなり疑問が残ります。

ペネロペのイタリア語がとてもうまいのは、映画を撮影している間、ずっと家庭教師をつけ、朝から晩まで、イタリア語を勉強したからだそうです。元々スペイン語とイタリア語は、90%近くが同じだと言われていて、それぞれの言葉が通じるのですが、それにしても、スペイン語なまりがほとんどなく(私のレベルでは聞き分けられない)、すごいと思いました。やはり、語学は、量なんですね。

最後に、イタリア映画全般にいえるのですが、曲がとてもいいです。この映画もToto CutugnoのGli Amoriが主題歌として使われていました。日本ではあまり知られていないのかもしれませんが、Toto Cutugnoはイタリアでは非常に有名な歌手で、サンレモ音楽祭で、4年連続入賞。90年に2位となったこの曲が使われていたのですが、この曲以外に使われていた曲も非常によく、選曲が非常にいいなと思いました。

(総合評価:★★★★☆ 映画として微妙とかいいながらきっとまた見るだろうから)

2005年8月 6日 (土)

モディリアーニ

Modij_thumb

今年は、著名人を描く映画の作品が多いと思います。

今日観てきた「モディリアーニ」も、トスカーナに生まれ、22歳でパリに出てきて彫刻の道を歩み、30代のはじめに絵画に移り、36歳で亡くなった画家のアメデオ・モディリアーニをモチーフに描いた作品です。

映画の冒頭で「これは実話ではありません」と断っていましたが、モディリアーニをモチーフに、彼と妻ジャンヌが死ぬまでの数年間に焦点をあてたラブストーリーです。なぜ、数年間かと思ったかというと、モディリアーニがなくなったのは36歳ですが、絵画に移ったのは31歳頃と言われていますので、少なくともピカソやユトリロなどと競い合うくらいまでの知名度となると、最後の数年間ではなかったのかなぁ、と思うのです。

映画では、絵画にのみ焦点が当たっていますが、彼の絵は、彫刻を学んだことで体得したデフォルメを絵画に応用したことで、彼独自のスタイルを築き上げたそうです。

また、モディリアーニを知らない人でも、右の絵を見ると、「あぁ、あの人の絵ね」というほど、彼の作風は独特です。私もイタリア留学をし、せっかくヨーロッパにきているのだからという理由で、イタリア・フランス・オーストリア・スイスの美術館を歩き回るまで、美術に関する知識は皆無に等しく、モディリアーニを知ったのもつい最近のことですが、モディリアーニの実物を見たときに、「あ、この絵、どっかで見たことある!」と思ったくらいですので、人の記憶に強烈に焼きつく作風なのでしょう。

映画に話を戻すと、心を揺さぶられるラブストーリーとしてはとても良い映画だと思いましたが、せっかく有名な画家を題材としたのであれば、彼の絵に対する苦悩をもう少し深く描いても良かったのではないかと思います。

この映画で描かれているモディリアーニは、私の大好きな詩人であるシルヴィア・プラスを描いた「シルヴィア」に通ずるものがありました。芸術家であるがゆえに、悲劇的な人生を歩んでしまう。でも、平凡な幸せがあれば、芸術家としての成功はなかったかもしれない… そんなことを思わせる生き方だと思いました。

最後に、音楽がすごく良かったです。エディットピアフの曲だけでなく、KeedieのMy Reasonもすごく良かったです。

(総合評価: ★★★★☆) 

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